皆が「ミラチャイ」を見てくれていれば、あんなことは言わなくてもいいと思ってたんです。でもあの言葉は、“48グループ内だけのことじゃないんだよ”っていうことを、一番伝えたかったから。

SKEや48グループの中で、今、卒業を考えちゃうメンバーってたくさんいると思うんですね。

でもそれは、「どうせ私が頑張っても選抜メンバーにも入れない。個人の仕事ができるわけでもない。何かご褒美をもらえるわけでもない。だったらここを辞めて、違うことをやった方がいいじゃん」っていう気持ちで、考える卒業だと思うんです。

きっと、そう考えている子の方が山ほど多いと思うんです。私も最初はそうだったから。握手会に人が来なくて辞めたいと思ったり、どんなに自分が頑張ってもいつも後列だったり。

ワガママも言わず過ごしているのに“何でいつも後列なの? ”って思ったこともあります。“もう辞めたい。卒業したい”って、思ったときもたくさんあったから。

でも、AKB48グループはあくまでも “通過点”にしてほしいなと思ったんです。

ーー“グループにいるうちに、花開くか分からない” “今の努力が未来に花開くかもしれない”とも言ってましたよね。

はい。芸能界じゃなくても、自分が頑張るところで“見てくれている人はいるから、絶対に大丈夫だよ”って、伝えたいなってすごく思ったから。

皆が皆、グループを卒業した後、芸能界に残るとは限らないと思うんです。芸能界とは別の世界で成功している人も実際に見ているし。例えば、同期で卒業後に芸能界を辞めて、ネイリストですごく頑張ってる子もいるんです。

頑張っているから、その作品を見てお客さんが来てくれて。そこでも“見てくれている人は、見てくれているんだ”って、必ずその言葉につながっているから。だから、AKBグループを“通過点”にしてほしいなって思うんです。

ーー佐江ちゃん自身、卒業の実感がないのは、卒業は“ピリオド”じゃなくて“通過点”と思っているからかもしれませんね。

そうかもしれない。。 ほんとうに。

ーー卒業セレモニーでは、皆さんそれぞれに心に残った言葉があったと思いますが、古参といわれるファンの方だけじゃなく、“応援してきた長さは関係ないよ。皆ありがとう”と言ってくれた佐江ちゃんの言葉も、とっても嬉しかったです。

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