そんな“大人の男としてのテミン”の姿は、3rdミニアルバム『FAMOUS』のタイトル曲『Famous』にも表れている。
ツアーでは、福岡公演やこのファイナル3DAYS公演のアンコールでパフォーマンスされたが、韓国での“テミン・スタイル”を彷彿とさせるダンス曲が日本でリード曲になったのは初めてで、「待ってました!」と言いたくなる曲。
日本デビュー曲『さよならひとり』のようなドラマティックな世界観からバラード、そしてダンスまで、さまざまなジャンルをバランスよく表現できるのもテミンの魅力だ。
トークで見せたニコニコの笑顔
大人っぽさや、カッコよさをステージで存分に見せつけてくれたテミンであるが、トークで見せるニコニコの笑顔はいつまでたっても変わらず邪気がない。
アンコールで『Famous』が終わり『MOVE』が始まるところで、サプライズとして大画面に本ツアー初日から最終日前日までのツアーメイキング映像が流れると、驚いた様子を見せながらもステージに座り込み、映像に見入るテミン。
さらに会場から一斉に“テミン お疲れ様 サランへ!”という声が上がると、嬉しさのあまりステージ上を走り回り、「うわーー、ビックリした~」と驚きながら、「(大阪公演で)誕生日にケーキでサプライズされたときもぜんぜんわからなかったけど、また今回も、ぜんぜんサプライズが用意されていることに気付きませんでした(笑)。
皆さんにもらったパワーと感謝の気持ちをどうやってお返しするべきか……、頑張っていかなきゃとすごく思いました」と言うと、指でハートを飛ばして素直な気持ちを伝えたてくれた。
こんな風に、カッコいいとカワイイのギャップの塊=テミンには同性も魅了されてしまうようで、今回のツアーでは男性からの声援も増え、テミンもその声に嬉しそうに応えていたのも印象的だった。
同じ場所で迎えた前回の初ツアー・ファイナルでは、いつも泣かないテミンが、初ソロツアーの重圧や達成感や感謝……さまざまな感情があふれ出したかのように涙を流してしまったが、今回は会場のファンを優しくみつめながら、「ツアーを準備しながら今のように、皆さんが笑顔でいる姿を想像していました。
その姿を現実に見ることができて、僕は本当に幸せな人だと思っています。全部、みなさんのおかげです。
近いうちにまた会いましょう! 約束!」と最後までテミンらしい笑顔で締めくくってくれた。
2度目の日本ツアーでは、前回よりも格段に“余裕”が感じられたテミン。動く芸術作品、そして、ギャップの塊ぶりを余すことなく見せてくれた。
しばらくはSHINeeという看板をひとりで支えることになるテミンだが、SHINeeのAceテミンの行く手には、明るい未来しか感じられない。
ソロ・アーティストとして『Ace』をリリースしてデビューしてから5年が経った。いまではSHINeeのAceからK-POP界のAceになった。でもそれは、彼のたゆまぬ努力と向上心の結果でもある。
天才ではなく、努力の人。その努力はテミン自身のこともファンのことも決して裏切らない。
いや、私たちはいつも想像を超えたものを見せられて、ある種ずっと裏切られているわけだが……。
でもそれこそが“テミン中毒”の源なのだろう。“もっともっと裏切られたい”。テミンのライブは見るたびにそう思わせてくれるのだ。
※写真は「TAEMIN ARENA TOUR 2019 ~X™~」ツアーより。