撮影/奥田耕平

ミュージカル『DOROTHY~オズの魔法使い~』が2022年8月27日(土)から全国10カ所で上演される。

多くの人が知る童話『オズの魔法使い』を「大人のための新たな本格ミュージカル」として作り上げられた本作。桜井玲香演じる、とある都会の大学生ドロシーがあることをきっかけに異世界・音楽の都「OZの王国」へと迷い込む……という設定だ。

そんなドロシーがOZの王国で出会う「かかし」役を演じる蒼井翔太に話を聞いた。

フォトギャラリー【蒼井翔太】ミュージカル『DOROTHY~オズの魔法使い~』インタビュー写真(全9枚)

演じるならかかし役がいいな、と思った

撮影/奥田耕平

――ミュージカル『DOROTHY~オズの魔法使い~』のかかしはどういったキャラクターなのでしょうか。

どの登場人物も僕たちが常日頃から感じているものだったり、生きている中で疑問に思うこと、気づかされることといったヒントがちりばめられているのは間違いないんですけど、その中でもかかしはすごく純粋無垢で、考えていないようで、しっかりとみんなを引っ張っていくキャラクターのひとり。

すごく自分の中でも大きな人物だな、と感じています。自分が演じるという気持ちがあるからこそ、ちょっとひいき目に見てるのかもしれないんですけど。

――かかし役のオファーが来たときは、どのように思われましたか?

まだどの役か決まっていないけれど、『DOROTHY』に出演する、と分かった時点で「その中で演じるなら、かかしがいいな」とちょっと思っていたんです。

だからこそ、素直に嬉しい気持ちもあり、プレッシャーもありますよね。自分が演じたい役だからこそ、理想は高くなるし、理想に到達するまでの道のりは長く感じます。ハードルも高くなるし、プレッシャーも今はありますね。

そして今回、『オズの魔法使い』という皆様に長く愛されている作品でありながら、オリジナルということですので、ストーリーの中のかかしをなぞりながらも、Wキャストの(鈴木)勝吾くんとはしっかりコミュニケーションを取っていきたいです。

稽古しながら「こう思ったんだよね」とか、「普通、この物語のかかしだったらこうかもしれないけど、僕はこう感じたんだよ」ということは全て言葉にして、いい意味で勝吾くんと、蒼井翔太のかかしの違いを作っていけたらな、と思っています。

撮影/奥田耕平

――かかしを演じたいと思われたのはどういったところからなのでしょうか。

この仕事……人前に出るようになるまで、先の人生のことなんて考えられないし、自分の今の状態も考えられない、どうしたらいいのかすらも考えていなかった時期があって。

けど、勇気をふりしぼって、当時、オーディションだったり、しっかりと頭で考えて勇気を出して進みたいと思う方向性が自分の中でもあったんだ、と考えたときに、原作のかかしに似ている部分があるな、と思ったんです。かかしは脳みそが欲しいって言っているけど、自然と頭を使う場面ってあったじゃないですか。

持っていないと思っていたけれど、本当は自分の中にあったのかもしれない、という部分が自分にすごく似ていて、演じるんだったら、かかしがいいな、と思ったんですよね。