幼稚園、保育園、小学校から帰宅後、普段は元気な我が子がおとなしいと凄く不安になりませんか?なんだか胸がザワザワします。そんなときは矢継ぎ早に追及しないで、気持ちを上手に引き出しましょう。

1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。

子どもが何だか元気がありません。そんなとき原因を根掘り葉掘り聞きたくなって、機関銃のようにこんな風に言葉をかけてしまうことがあります。

「誰かに苛められているの?なんでもママに言いなさい」
「どうしたの!元気だしなさい!」

でも、親がスーパーマンのようになってしまったら、もしかして、本音が言えなくなってしまうかもしれません。

直ぐに原因究明しない方がよい

子どもだって一日園で遊んで、または学校で勉強して疲れて帰って来ます。毎日、笑顔で「ただいま!」とは言えないときもあります。

蒸し暑い、寒い、そんなたわいもない理由で浮かない顔をしているだけかもしれません。また、友達とうまくいかなくて気持ちの整理をしているのかもしれません。

家に帰ってきたときは、「今日も一日お疲れ様」の気持ちを持って、しばらくそっとしておき、直ぐに原因究明しない方がよいかもしれませんね。

大切なのは受け止める環境作り

2~3歳の頃はちょっと友達から叩かれただけで大騒ぎして、「○○君が叩いた~ワーン!」と先生や親に訴えてきた子も、年齢を重ねていくと何も言わなくなることがあります。

子どもながらに「親に心配をかけたくない」「恥ずかしい」と考え始める子もちらほら出てきます。こんなとき親が焦ってエキサイトしてしまうと、「ママは相手宅に乗り込んでいくのではないか」と考え、相手からの仕返しを恐れて隠してしまうこともあります。

いつもより口数が少ない、学校のことを最近話さなくなった。食欲がない。朝、起きてこなくなった。小さな傷がついている。このようなSOSが発信されたら見逃さないことはとても大切なことです。但し、親は過敏な反応をしないようにしましょう。

さりげなく「最近、幼稚園は楽しい」「どんな遊びをしているのかな?」とモナリザの態度で淡々と聞きましょう。

早く聞き出したい気持ちもわかりますが、温かいミルク(少し砂糖を入れて)をそっとテーブルに出してやり、話しやすい雰囲気作りをしましょう。昔懐かしい母乳や粉ミルクの味がして心開いてくれるかもしれません。

追及するのではなく、受け止める環境作りです。するとポツポツと話し始めるでしょう。

過敏な反応はNG!

さて、子どもが悩んでいることを話し始めました。そんなとき過敏に反応してしまい、

×「え!○○君があなたのこと叩いたの?なんて意地悪な子なの!○○君のママに今から連絡してみるわ!」
×「明日、幼稚園で先生から○○君に叱ってくれるように頼んでおくからね。大丈夫よ!」

ちょっとママが強すぎます。却って相手からの仕返しを恐れるようになってしまいます。

ダメ出しして子どもを追い詰めるのは?

×「何だ~そんなことだったの。たしいたことじゃないじゃないの~ちょっと叩かれただけでいちいちメソメソしないの。全く弱虫なんだから」
×「そんな顔するんじゃないの、悔しかったら同じようにやり返せばいいじゃないの、もっと強い子になりなさい!」

やり返せるくらいだったら子どもも苦労はしませんよね。

親は応援しているようで、なんだか苛めっ子と同じ状態になっています。親にとっては瑣末な問題でも、子どもにとっては天地もひっくり返るくらいの一大事。頭の中はこのことで支配されています。ダメ出ししないようにしましょう。