現代は、家庭における子どもの数が少なく、家族の人数も少ないので、子育てが母親の肩に全てかかってしまっていることが多いです。
母親と子どもの結びつきというのはもともと固く、絶対的なものですが、現代の子育ての環境は、母親が子どもに対して必要以上に過保護になりがちです。
母親が子どもを危険なことから守ろうとするのは当然の行為です。「できれば苦労させたくない」「辛い思いはさせたくない」と思うのも、親心でしょう。
ですが、それが行き過ぎると、逆に子どもを大きく苦しめることに…。
寂しく辛いことはありますが、子育ては、子どもの成長とともに、ママも子離れに徐々に気持ちを向けていかなければなりません。
母親の行き過ぎた過保護が家庭に引き起こす弊害と、過保護な母親を辞める方法についてお伝えします。
母親の行き過ぎた過保護が家庭に及ぼす影響とは?
1.子どもが「ママがいないとダメ」な子になる
普段から子どもに問題が起きないよう、先回りをして助ける。
子どもが学校や友人関係などでトラブルに遭った際には、小さなことでも首を突っ込み、介入する。
子どもにアレコレ細かく指示をする。
…このような環境で育つと、「どうせ自分では何も決めさせてもらえないから…」と、子どもは次第に無気力になっていきます。
「自分で困難(問題)を解決した」「自分の力で欲しい結果(もの)を手に入れた」という経験も乏しく、自分に自信を持つことができません。
そして、ママのいないところでは不安になり、学校などの集団生活に大きなストレスを感じるようになります。
2.父親の存在が薄くなり、家庭に居場所がなくなる
母親が子どもに過保護になればなるほど、母子密着が強くなり、その分、父親の存在が薄くなります。
父親は、子どものことに関わりたい気持ちがあるのに関わることができず、家に自分の居場所が感じられなくなります。
そうなると、家庭を顧みずますます仕事人間になる、あるいは、帰宅恐怖症になってなかなか家に帰らないようになるなどの可能性もあります。
過保護を辞めて居心地のいい家庭を作る5つの方法
1.「この子は私がいないとダメだから」と言わない
子どもに必要以上に過保護になってしまうのは、「子どもが頼りなく見えて仕方がない」からというのはあるかもしれません。
しかし、「この子は私がいないとダメだから」と思って接していると、ますますその通りになっていきます。
心理学に、『レッテル効果』と言われるものがあります。人は、人から言われた評価(レッテル)の通りに無意識に行動してしまうというものです。
つまり、「この子は私がいないとダメだから」と言っていると、子どもも「私はママがいないとダメなんだ」と思い込み、どんどんそうなっていくということです。
子どもに声をかけるなら、「あなたは頼りないわね」「あなたは本当にママがいないとダメね」と言うのではなく、「だんだんしっかりしてきたわね」と言うようにしましょう。
きっと、子どもは自信がつき、本当にしっかりしてくるはずです。
2.子どもの意見・選択を尊重する
親からしてみると、子どもの考えることは愚かだったり、もったいない選択に思えるのは確かです。
しかし、「こっちにしておきなさい」「こうしなさい」と、なんでも最善の答えを与えていては、子どもは成長しません。
失敗や思い通りにいかないことをたくさん経験して、社会性は磨かれていくものです。
学校で起こった嫌なこと、友達とのトラブル。介入する前に、まずは子どもに「○○はどうしたい?」「○○はどう思う?」「○○は何ができそう?」と聴いてあげましょう。意外と、そんなに親の手は必要としていないかもしれません。
まずは、小さなことからスタートしてみてもいいのではないでしょうか。服やおもちゃを選ぶ際など、できる範囲で自由に選ばせてあげて、子どもの選択を尊重してあげる。
自分の意見や選択を親から認められるというのは、子どもにとって嬉しいものです