そうそう、そうです!
あと、今回特に思ったのは、家の中で見る家族と、外で見る家族って、ちょっと雰囲気が違うなって。家の中だと「家族」だけど、一歩外に出ると「それぞれの人生」があるんだなぁって。
例えば家族だと、兄の生き方をすごいと感じることもあるけど、私もそのように生きられるかというと、そうはできない。一方で、私は兄が学んでいないようなことを自分自身の生き方を通じて学んでいることもあるなって。それは両親にも感じました。
“ママとパパはこうやって生きてきて、こういう友達と関わってきたから、今こういう人間で、ゴールに向かっているんだ”って。
“ここはママのいいところで私には足りていない部分だな”とか、”ママのこういう性格は大人になった私にはなくてもいいところだな”とか。
両親や家族なんだけど、”ひとりひとりの人間”として見ていました。
今までは仕事場で出会った友達とか、関わった人たちに対して見ていたものを、家族にも見たという感じです。自分がこれまで、どういう人と歩んできたかをすごく意識できました。ひとりの人間として、それぞれバラバラな人生を歩んでたんだなぁって感じました。
だから余計に「私の人生は私のもの」って強く思いました。芸能の仕事に早く復帰してほしいと思っている親の気持ちも感じつつ、そこを拒否して一緒に生活している自分がいて。
休業中は両親にいろいろ言われても、”私の人生は私のものだから、私のタイミングで始めるし、やるし、決める”って、強く思って言っていました。
こういうことは、子供のときでは気づけなかったことで、自分がひと通りいろいろな人と関わってきたからこそ、家族に対してそう思えるようになったのかもしれません。
――家の中にいると、そういう考えにはなりづらいかもしれませんね。
そうですね。兄とか両親から、一般的な社会のなかで生きる人の目線をすごく感じることができたと思います。でも私はそれとは少し違う、芸能の世界のなかで生きる人のなかで生きてきたから。芸能の目線からしか、感じられていなかったんだと思いました。
――芸能の世界はある種、特殊な世界かもしれませんね。
そうですね。特殊なんだろうな。すっごく些細なことなんですけど、例えばキャベツが200円で売っていて。”今日の料理に使うんだから200円でもそれしかなければ、時間もないし、買うしかないでしょ、買っちゃえ、買っちゃえ!”って、思ってしまってました。
でもママからすると、「もっと安いときなら、同じ値段で倍のキャベツを買えるんだよ」っ言われて…。
――新鮮でしたか?
はい、新鮮でした。13年間ですが、芸能の世界に少なからずいたからこそ、親とも違う感覚を持ってしまっているなぁって。
休業中に、普通に生きていた1年間があったからこそ、気づけた感覚だったと思います。
――佐江ちゃんが上海へ行くと決まったときの家族旅行では、そういうことに気づいたというのは聞いていなかったと思います。
ないと思う。久しぶりに家族と過ごせたことしか、話してなかったんじゃないかな。
――改めて感じますが、佐江ちゃんは物事を俯瞰で見ている感じがしますね。俯瞰の距離感がものによって変わるというか。自分からの目線で見ているときもあれば、もうちょっと上から見ているときもあって。
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