そうです、そうなんです。自分で意識したことはないですが、そうかもしれません。

――連載を続けていて思いますが、佐江ちゃんはそのときによって、ものを見る視点の距離感を変えているなと思います。

それは自分では悪いことだと思ってるんですよ。自分のなかで、まず評価をつけてからそれを見ているんです。人から評価される前に、まず自分が評価しているんです。自分への評価の度合いと期待は大きいです。それはずっと変わってないな。

でも、外から評価されることには、上手に料理できるようになったかもしれません。そうくるなら、こっちでいこうとか、自分のなかでパターンが増えたのかも。

――引き出しも増えた。

増えているのか、いないのか。あえて増やしているのか、正直、現在進行形なのでわかりません(汗)

――あとになって「あのときは、ああだった」と評価できるんだと思いますよ。そういうことが連載中でも結構あったと思います。今の評価は1年、2年後くらいにくるというか。

だから私の「伸びしろ」って、2年スパンで考えないと。明日すぐ成長するとか無理なんだ。ダイエットと共通してるなぁ!(笑)

――どんな人も渦中にいたら、評価や判断は難しいんじゃないかなと思います。でも、比較はできるかも。2回目があると、ようやく1回目を評価できるとか。

それはあるかもしれません。比較対象があるから「話や思い出が太く、大きく」なるというか。

――佐江ちゃんの復帰後初めてのお仕事となった舞台『ピーターパン』もそうですよね。2年前と今年の2度、タイガー・リリー役として舞台に立ちました。

『ピーターパン』は、お休みしたあとの最初のお仕事で、とてもありがたい環境でした。自分が1度立ったことのある舞台でしたし、カンパニーのメンバーにも知っている方がいたこともあって。

もちろんお芝居をやることへの不安もあったけど、逆にちょっと1年前より、堂々とできていたところがあったと思います。

――今年のタイガー・リリー、実は拝見してました。2年前とは演出が違っていたこともあるのでしょうか。確かに1回目よりも、肩の力が抜けているように見えました。

観ていただいてたんですね。ありがとうございます。

――マネージャーさんにお聞きしたところによると、『ピーターパン』のお話が最初にきたときは、佐江ちゃんはまだ事務所に所属していないフリーの状態だったのだとか。

バックナンバー