2.息抜きできる場所を見つける
「出産したのがちょうど夫の仕事の繁忙期で、お互いに余裕がないままイライラした会話が続いていました。
赤ちゃんと二人で過ごしていても心が落ち着かず、耐えきれずに児童館に行きました。
それまで、いろんな人がいるし会話とか余計にストレスが溜まりそうと思って避けていたのですが、行ってみると気さくに挨拶してくれる人が多くて、子どもの話題があるので話しやすくて。
夫のことを打ち明けると『うちもそうだよ、男の人ってなかなか頭が切り替わらないもんね』って共感してくれる人がいて、すごく気が楽になりました。
夫への接し方とかいい託児所の話、子連れで行ける美容室の情報なども聞けて、それから少し夫には優しくできるようになりましたね。
心に余裕ができたら家事も少しずつやる気が出て、そんな私を見て夫も態度が変わってきて、会話も増えて。
児童館の話をすると『俺が忙しくて息抜きさせてやれなくて、ごめんな』と言われて、胸がジーンとしました」(29歳/専業主婦)
こちらの女性の場合は、自分の実家が遠くすぐに頼れる距離ではないため、いわゆる「ワンオペ育児」を頑張ってきた結果、心が追い詰められていました。
「夫の実家に頼れば」といっても、仕事が忙しくてろくに会話もない状態の夫に気安くお願いできることではありません。
そこで足を向けたのが近所の児童館でしたが、「想像していたよりオープンな雰囲気で、私みたいに一人で頑張っている女性と話ができて心強かった」そうです。
人と話すこと、見る景色を変えることは、出口のなかったストレスを解放するきっかけになります。同じような悩みを持っている人と話して視野を変えることができたり、知らなかった情報を手にして選択肢が増えたり、心に風を通す機会は積極的に持ちたいですね。
余裕が戻ってくることで、少しずつ生活にも変化が出ます。そんな妻を見れば、夫のほうもかたくなな心をほどきやすくなるでしょう。
赤ちゃんとふたりきりの生活は、プレッシャーが多くネガティブな勘定で心がいっぱいになりがちです。そんなときこそ、自分を取り戻すための居場所を見つけることも大きな救いになります。
*
ふたりが上手にコミュニケーションを取れないまま心の溝が深まり、いつしか夫婦の絆も壊れてしまうのが産後クライシスです。
「大変さを理解してもらえない」「息苦しさから抜け出せない」ストレスは、妻として、母親としての自信を奪い、お互いを責めることでどんどん家庭の雰囲気は悪くなっていきます。
そうなる前に、自分でコントロールできる方法を試すこと。まずは自分が変わる努力に目を向けてみると、応えてくれるやり方や居場所が見つかります。