リラックス効果もあるうつ伏せ寝は医療現場でも活用
大人になると少なくなってくるものの、うつ伏せが寝やすいという人もいますよね。うつ伏せのメリットは仰向けと違い、気道が確保され、いびきが軽減されるので、質の良い睡眠をとれます。また、肩こりがある人は、うつ伏せで寝ると、肩への圧迫がなくなり緩和しやすくなります。
そして、医療の場ではうつ伏せ寝の良い効果を活用した「腹臥位療法(ふくがいりょうほう)」というものがあります。
うつ伏せになって、両腕を肩の高さまで上げ、肘を 90°に曲げて手のひらを下に向けることで、脳の視床下部に刺激を伝え、リラックス効果が得られ、ご高齢の方、すでに病気になった方の寝たきりの予防やリハビリ、また呼吸器系疾患の治療として取り入れられています。
*ただ口がふさがれてしまい、呼吸困難になったり、無理な体勢で骨折したりすることもあるので、ご高齢の方に行う場合は専門家の指導のもと行ってくださいね。
このようにうつ伏せは医療でも使われるくらい体には良い姿勢ですが、お腹を圧迫させるので、気持ち悪くなったり、腰を反らせすぎる状態となり、腰に負担をかけたりすることもあります。また、顔が枕にこすれて肌への刺激となるため、シミや肌荒れの原因にも!
うつ伏せの健康効果を期待するのであれば、1日数十分でも良いので、お布団に入って、寝始めをうつ伏せにしてみるのもいいですね。
アルツハイマーを予防できるのは横向きの姿勢
うつ伏せと違い、腰への負担が少ない寝方が横向きです。また、仰向けと違い、いびきも出にくくなりますので、いびきの防止や、無呼吸症候群の予防にもつながります。また、腹部への圧迫も少ないので、妊婦さんでも安心できる寝かたです。
そして、横向きで寝るとアルツハイマーの原因ともなる物質が排出されやすく、結果、アルツハイマー予防にもなるとニューヨーク州立大学ストニーブルック校の研究でわかりました。
しかし、毎日ずっと横向きで寝続けることで骨盤をはじめとした体のゆがみにつながりやすくなり、ゆがんだ体になると、新陳代謝の低下、血行不良につながり、太りやすくなったり、顔や体がむくみやすくなったりしてしまいます。
左右均等に横向きに寝返りをうったり、腰が痛い時に横向きにしたりするのもいいですね。
いかがでしたか。今回はそれぞれの寝方のメリット・デメリットをご紹介いたしました。人は一晩に20~30回くらい寝返りをしていて、睡眠のリズムや体に負担がかからないように、自然に姿勢を調整しています。
快眠の為には体に負担のない寝方が、寝心地が良いと感じられるようになり、寝付きが良くなったり、起床時のスッキリとした熟睡感を得たりすることが出来ます。
睡眠は人生の1/3の時間を費やすとも言われているので、できるだけ質の良い睡眠にしたいものですよね。寝返りを妨げないように自分に合った寝具を選ぶことはもちろん、寝室の温度・湿度を調整する、光を遮断する、防音をする、心地よい香りを取り入れるなどの工夫もしてみてください!