保育園を効率化するベビーテックやIoTデバイスが今、注目を集めています。
ベビーテックとは、「ベビー」と「テクノロジー」を組み合わせた造語で、乳幼児等の子育てを支援するための情報技術のこと。IoTデバイスとは、インターネットで接続された、情報や制御のやりとりをする端末・機器などのこと。
このベビーテックやIoTデバイスを保育園に活用する実証実験が、埼玉県とユニファ株式会社によってスタート。2019年9月から川口市、戸田市の保育園10か所に、さまざまなものが導入されました。実験は2020年2月まで続きます。
この「スマート保育園」モデル実証実験で気になるのは、いったい、保育園にどんなものが導入され、どんな風に便利になるのかということ!
早速、そのベビーテックやIoTデバイスとはどんなものなのか、そして未来の保育園はどのような可能性があるのか、確認していきましょう。
「スマート保育園」は保育士不足が背景
この「スマート保育園」の実証実験は、どのような背景で実施されるのでしょうか。
現在、保育の現場では、保育士の人手不足や保育の安全性確保などの課題が山積み。
そのような中、保育士の業務は、お昼寝時の体動記録や、日誌の作成といった、手作業による事務が多く、保育士にとって負担が大きくなっているといいます。
スマート保育園のねらいは、こうした保育士の業務負担軽減のために、IoT、AI等で必要な作業を効率化し、保育士が子どもと向き合う時間に集中できる環境を整えることで、人手不足の解消や保育の質の向上等を図ることにあります。
スマート保育園ってどんなしくみ?
この実証実験では、ユニファが開発するベビーテックやIoTデバイスを保育園に無償で試験的に導入し、データを収集、分析を行うことで安全性確保を前提に、効率化できる業務の整理やICT化の課題などを検証します。
例えば、次のツールがあります。下記のいずれかまたはすべての技術を実施する園の実情に合わせて導入するそうです。
(1)子どもの健康状態の異変を早期検知する「見守りAI」
園児のお昼寝中の体動や体の向きを記録する「ルクミー午睡チェック」や非接触型体温計で検温・記録が5秒で済んでしまうスマート体温計「ルクミー体温計」などにより収集した情報を分析し、子どもの健康状態の異変を早期検知するものです。
(2)「スマート日誌」
「ルクミーフォト」という保育士のエプロンの胸のあたりに装着するカメラによる自動撮影や、音声録音のデータをAIが処理することで効率的に日誌を作成するものです。
(3)早期離職防止
「キッズリー保育者ケア」で、保育者がPCやスマートフォンからコンディション診断に回答します。回答をもとにした分析レポートと共に、保育者と面談者が面談を行います。これにより保育者をケアして早期離職の防止を図るというものです。
このように、保育士業務のサポートや保育士ケアを通じて、保育士不足や業務負担軽減、効率化がなされることで、新しい前向きな保育園が誕生することは、嬉しいですね。