「このお店の対応は、『くつろぎ』や『落ち着き』を求めるお客さんを守った行為、と言えるのではないだろうか」
さらに、「『子どもの泣き声NG』なカフェは存在してもいいと思う」とも書かれています。「子どもが泣いたら退場」とは、親の立場にとっては厳しい意見です。
けれども、もし自分が当事者になったら、ほかのお客さんへの迷惑を考え、店側から言われなくても、自ら出ていくかもしれませんよね。
そうなると、「店がその親子を退店させたことは間違っていなかったのかもしれない」とも思えてきます。
店側は入店前に何も説明しなかった
しかしながら、やはり「子どもが泣いたら退場」を受け入れる、というのは、釈然としないのではないでしょうか。
ここで宮田さんは、店の大きなミスを指摘します。
「カフェは、お客さんが入店する前に、このお店が『子どもの泣き声NG』であることを、お客さんに理解させる必要があった」
コメントで大多数を占めたのも「入店時に一言店員が断りを入れるべきだったと」という意見です。
入店前に説明されていれば、納得して別の店を探しますよね。ということは、入店前のやりとりひとつで悲劇は起こらなかったかもしれません。
親も子連れOKかどうか確認すべし
宮田さんにメールインタビューしたところ、「子連れのお客さん、お店、その他の利用者、それぞれの立場から考える必要があり、難しいテーマ」としながらも「それだけに問題提起として面白いな、というのが記事を書いた理由です」とのコメントをいただきました。
「こうするのが正解だ、と結論付けることを目的とした記事ではありません。普通に生活するうえで『できるだけ嫌な思いをしない社会』にするためにはどうしたらいいのか。それぞれが考えることが重要だと思っています」
できるだけ嫌な思いをしない社会のためには、店に頼るだけでなく、親にもできることがあります。
まず、「子連れOKか」どうかを店側に確認すること。また、店の雰囲気や客層、混み具合を確かめることも大事です。ちょっとした気遣いで、自分も周りも不快な思いをせずにすむのです。
宮田さんの問題提起は単なる親への擁護ではなく、親の立場でできる周囲への配慮に気づかせてくれたのではないでしょうか。