Q.家電のコードを束ねたまま使用するとなぜ危ないの?
大岩「発火の危険性があり、火事につながります。
コードを束ねると、折り曲がった部分に力が加わり、中の電線が切れる可能性があります。
コードに電気が流れると熱を持ちますので、コードを束ねて使用していると、放熱することができず熱がたまってしまい、コードをくるんでいる被覆部分が熱によって溶けてショートする可能性があります。
消費電力が低い家電では、危険性は低いですが、消費電力が高い家電は危険です。消費電力が高い家電といえば、エアコン、冷蔵庫、電気ストーブ、オイルヒーター、電子レンジ、オーブントースター、ホットプレートなどです。
さすがにエアコンは、コードを束ねることはないと思いますが」
Q.冷蔵庫の上にものを置いてはいけないのはなぜ?
大岩「冷蔵庫の中のものを冷やすときには、冷蔵庫から熱を発しています。エアコンの冷房時、室外機から暖かい空気を出している原理と似ています。
特に、冷蔵庫の裏側や天板から熱を発しているため、天板にものを置いてしまうと、放熱の妨げになり、冷蔵庫の冷えが悪くなってしまいます。
家族などで使用する大きな冷蔵庫は、高さもあるので上にものを置く人はほとんどいないと思いますが、1人暮らしなどで使用する背の低い冷蔵庫の上には、いろいろとものを置いてしまいたくなります。
最近は、電子レンジが置ける仕様の冷蔵庫もありますが、地震でものが落ち、ケガをする原因にもなるため、できれば避けたほうがいいです」
Q.掃除機のコードを引っ張ると、黄色いテープの後に赤いテープが…これってどういう意味なの?
大岩「赤いテープは、『ここまでしかコードは出せませんよ!』という意味です。これ以上引っ張ると、コードが断線し、故障してしまうかもしれませんという注意喚起をしています。赤は直感的に分かりやすいです。
黄色いテープは、もうすぐ終わりという目印だと思っている人が多いのですが、実は『ここまで伸ばして使ってください!』という意味で使用されています。
掃除機をかけるときに、モーターが発熱するため、コードを延ばすことでコードに負担をかけないようにしているのですが、コードを延ばさないと、最悪、火災の恐れもあります」
知っているようで知らないことが盛りだくさんでしたね! ぜひ家電の正しい扱い方をマスターして、日々、安全に暮らしましょう!
【取材協力】大岩 俊之さん
家電コンサルタント。家電製品アドバイザー・スマートマスター・フォトマスター検定資格の講師。他には、営業、リーダーシップなどの企業研修、講演をこなす。著書は12冊。ホームページ「家電とスマートハウスの達人」。
趣味は、家電、写真、本、スイーツ、ドラマ。