少子化が進み、ワーママが増えるなかで、PTA活動の負担の多さや役員の押し付け合いなどのトラブルが問題視されています。PTAという言葉を聞いただけで気が重くなってしまうママは多いはず。

小学校入学を控えて「PTAって一体なんなの!?」と漠然とした不安を抱えている人もいれば、「来年はPTAの役員が回ってくるかも!」と恐れおののいている人もいるかもしれませんね。

でも本来、PTA活動は大切な意義・目的のあるもの。それに、実は参加することで得られるメリットも少なくないのです。今回は、PTAのポジティブな面に注目してみましょう!

そもそもPTAとは?

PTAを略さずに言うと、「Parent-Teacher Association」。つまり、保護者と先生の組織です。PTAでは、保護者と先生が、地域の人たちとも連携しながら、登下校の見守りや子どものためのイベント、バザー、ベルマーク収集など、多様な活動を行います。

公益社団法人「日本PTA全国協議会」発行のパンフレット『はじめまして PTA』によると、日本の学校にPTAができたきっかけは、戦後にアメリカから派遣された教育の専門家が作成した報告書に、PTAの設立と普及を推奨する方針が掲げられたこと。それを受けて文科省が指導を行った結果、全国に広まったそう。

また、当時の文科省が作成した手引書には、「PTAの趣旨」が、以下のように書かれているといいます。

「子どもたちが正しく健やかに育っていくには、家庭と学校と社会とが、その教育の責任を分け合い、力を合わせて子どもたちの幸せのために努力していくことが大切である」

たしかに、子育てや教育は重責ですから、家庭だけ、学校だけの力では不十分。社会の宝である子どもたちを、地域のみんなで見守り、その成長をサポートしていこう、というのが本来のPTAの目的なのです。

存在意義を知ると、核家族や共働きが増えている現代社会にこそ必要な組織のようにも思えてきますね。

PTAに参加するとこんないいことが!

子どもたちのためになるとはいえ、貴重な労力と時間を無償で提供しなければならず、やっぱり大変なPTA活動。しかし、参加したママパパ本人にとって良いこともあるのです。次に、PTA活動を通して得られるメリットを紹介します。

1.ママ友パパ友ができる

PTAの役員や委員になると、会議や打ち合わせ、PTA運営の行事などでひんぱんに保護者同士が顔を合わせることになります。嫌でも顔見知りになりますし、活動を通して少なからず連帯感も生まれ、自然に気心も知れてきます。

PTAを通して、普段から助け合える仲良しのママ友、パパ友ができる可能性も。また、PTAには高学年以上の子を持つ先輩ママたちもいるので、進学や塾などの情報を教えてもらえるのも大きなメリットです。

友達作りが苦手な人やその地域に引っ越してきて間もない人は、交友関係を広げるためにあえてPTAの役員・委員に立候補してみてもいいのでは?

2.先生と顔見知りになれる

懇談会や家庭訪問で子どもの学校の先生に接するときって、けっこう緊張しませんか?

誰しも子ども時代に何度か学校の先生に叱られた思い出を持っているもの。そんな背景も関係しているのか、学校の先生には、少し近付き難いような厳かなイメージがありますよね。

PTAの活動は、その名の通り、保護者と先生が連携して進めていくものです。特に本部役員のような重役に就くと、我が子の担任の先生はもちろん、教頭先生や校長先生とも顔を合わせる機会が増えます。

昨今はPTA活動を敬遠する保護者が多いのもあり、先生たちは、役員を引き受けてくれた保護者には特に敬意を持って接してくれます。近付き難い存在だと思っていた先生から親しげにあいさつされたり、「いつもありがとうございます」と頭を下げられたりすることも。

先生たちに「PTA役員をやってくださった○○さん」として覚えてもらえれば、緊張することなく気軽に会話できるでしょう。

万が一、子どもへの対応や学校の運営などに疑問があって何か意見しなければいけないという場合でも、モンペ扱いせずにちゃんと話を聞いてもらえそうですよね。