AiRI『DREAM×SCRAMBLE!』(『競女!!!!!!!!』)
水着姿の女の娘が、おっぱいとお尻をぶつけ合う競技「競女」(簡単に言うと、ボディーアタックも有りの尻相撲)が公営ギャンブルとして存在しているという凄まじい世界観をベースにしつつ、主人公の少女がライバルたちとの闘いを通して成長していく姿を描く、実は王道の"スポ根"作品であるアニメ『競女!!!!!!!!』。
ハイテンションな作風に合わせてかオープニングにもノリの良いロックな楽曲が使用されています。
それがAiRIが歌う『DREAM×SCRAMBLE!』。パワフルでパンキッシュな曲調が持ち味のメロディックハードコア(メロコア)を思わせる楽曲。何は無くとも、ツービートですっ飛ばすドカドカしたビートが堪りません!
疾走感たっぷりのイントロとポップなメロディのAメロに続いて、ちょっと重めのBメロを挟んで、再び疾走を始めるサビへと繋げる緩急の効いた構成もお見事で、まさに「ストップ&ゴー」(メロディやリズムに極端にメリハリを付けるパンクロック、ハードコアパンクの作曲術)なパンクロックマナーを地で行くアニメソングとなっています。
作曲、編曲を担当している本田光史郎さんは、元々はテクノポップ、エレクトロ系の音楽ユニットを出自とされている方で、現在では、アニメやアイドルの楽曲を中心に作曲活動を行われているそうですが、このアニソンへのポップパンクの落とし込みの上手さとセンスの良さは本当に素晴らしいの一言。
一度聴いただけで覚えられてしまうサビのキャッチーさも痛快で、今期アニメ作品の中でもメロディの強さは、トップクラスに入る楽曲です。ポップでありながらも"燃える"曲調は、本作の作品性を何よりも雄弁に象徴してくれています。
ちなみに、『競女!!!!!!!!』は、エンディング曲の『Fantas/HIP Girlfriends!』も作詞に歴代平成仮面ライダーシリーズでお馴染みの藤林聖子さんを迎えるという豪華布陣で作られており、何気に主題歌が大充実しています。作曲は渡部チェルさんで、『仮面ライダーカブト』の主題歌(『NEXT LEVEL』! 超名曲!)タッグが『競女!!!!!!!!』のエンディングで、まさかの再共演。これは、特撮ファンも必聴ですよ!
パッと見のおバカでエッチな設定だけでは測れない、実はどこまでも"熱い"スポ根アニメな『競女!!!!!!!!』は、その主題歌もやはり侮れません。超オススメです!
プラズマジカ『ハートをRock!!』(『SHOW BY ROCK!!#』)
こちらもガールズロックなアニソンの良曲として、『SHOW BY ROCK!!#』の『ハートはRock!!』をご紹介します。
サンリオの人気リズムゲームをアニメ化した『SHOW BY ROCK!!』。大好評を受けた一期から、ショートアニメ『SHOW BY ROCK!! しょ~と!!』を間に入れて、遂に始まった第二シーズン……ということで、本作の再開を心待ちにしていたファンも多いことでしょう。
今回も主題歌を担当するのは、勿論、シリーズの主役である劇中バンド「プラズマジカ」の4人。ファン待望の新曲となる『ハートをRock!!』は、プラズマジカの最大の持ち味であるポップなバンドサウンドを軸にしつつも、ロカビリーのエッセンスを取り入れた、ちょっと渋めのアレンジが加えられています。
勿論、ロカの要素も現代風にアップデートが施されており、全体を通して聴いてみると実に『SHOW BY ROCK!!』らしいパワーのあるポップロックに仕上げられているのですが、それにしてもオールディーズ回帰という意外性のあるアプローチには驚かされてしまいます。
個人的にも、「成る程、今回はこう来たか!」と大いに唸らされた楽曲であり、『SHOW BY ROCK!!』というアニメが持つ音楽性の豊かさを改めてファンの前に提示してみせた優れたナンバーです。
また、曲調に合わせて、これまたオールドスクールな映画や音楽を思わせる演出の数々が素晴らしく、オープニングアニメーションも非常に見応えのある"作品"に仕上がっています。
特に、シアンがツイストを踊るシーンが本当に可愛らしく……音楽、アニメーション、そして、キャラクター。全てが多幸感に満ちた90秒間の映像には、『SHOW BY ROCK!!』の魅力が"ギュッ"と凝縮されています。
今後の展開も非常に気になる本作。一期に比べてもSF色の強いシナリオが作劇にどのような影響を与えるかも、作中の音楽と同様に気になるポイントであり、今後の展開が非常に楽しみな作品です。