漫画における青少年たちのオアシス、それは心ときめく「お色気」シーン……。おっぱいにお尻、パンチラなど、いわゆる"サービスシーン"は、漫画作品における一輪の華であり、大人になる前の私達に刺激的なイマジネーションを与えてくれました。
男性ならば、誰しもが「お色気漫画」の記憶を胸に秘めていることでしょう。そこで、現在、20代から30代の読者にとって、決して忘れられない思い出になっているであろう名作たちをご紹介します。
今回は、80年代~90年代の懐かしの漫画から、ちょっと新し目な2000年代半ばの漫画まで、15作品を選んでみました。
『究極!!変態仮面』(あんど慶周)
『週刊少年ジャンプ』にその名を残す、伝説の異色アクション漫画、それが『究極!!変態仮面』です!
刑事である父親とSM嬢の母親のもとに生まれ、正義の血と変態の血を同時に持つ主人公、色丞狂介が女性用下着を被ることで正義の使徒、変態仮面へと変身! 弱きを助け、悪を撃つ!
見た目こそ、網タイツを履き、パンティーを被った変態そのものではありますが、れっきとした正義のヒーローである変態仮面の活躍を描く本作は、徹底的にスラップスティックなコメディ作品です。
独特過ぎる主人公の造形に加えて、「フオオオオオオオオッ!!」「それは私のおいなりさんだ!」などの特徴的な台詞回しとギャグは、当時の子どもたちの心を鷲掴みにしました。
お下劣なギャグがメインの作品ではありますが、劇中に登場する女の娘が非常に可愛いく、ちょっとエッチな描写が多いのも本作の魅力。
中でも、女性の色香で相手の隙を突く拳法「御色拳(おいろけん)」の使い手である四季春夏は男児の目線を一身に集める人気キャラに。Tバックを見せる必殺の「悩殺的茶罰苦」でお尻フェチに目覚めた方もいるのでは?
近年に入ってまさかの実写映画化もされた怪作であり快作です。
『BASTARD!!- 暗黒の破壊神-』(萩原一至)
超絶画力を持つ人気漫画家、イラストレーターの萩原一至先生が、80年代の終盤から現在に至るまで紡ぎ続けている一大サーガが、この『BASTRAD!!- 暗黒の破壊神-』です。
絶大な魔力を持つものの、尊大で傍若無人、かなり破綻気味の性格なアンチヒーロー、ダーク・シュナイダーを主人公とし、幾度かの掲載誌変更を経ながら、その世界観を広げ続けています。
作中にはグロテスクな描写も数多く顔を出し、少年誌掲載作でありながら「ダーク・ファンタジー」の王道を征く作風が特徴です。
そうした大人びた作品性に相応しく、作中には過激なサービスシーンが数多く登場。グラマラスな肢体を持つ女性キャラクターの裸体に、ストーリーそっちのけで胸をドキドキさせられました。個人的にも、規格外な爆乳の持ち主であるポルノ・ディアノ(このキャラクター名も凄い)に、後の性的嗜好に対して多大な影響を受けました……。
また、作中に登場する登場人物の名前やキーワードにハードロック、ヘヴィメタルバンドの名前が引用されているのも本作の特徴であり、同じく超ロングランシリーズとなっている『ジョジョの奇妙な冒険』と同じく、ここから遡ってロックや洋楽に興味を持った読者も多いことかと思います。様々な意味で「大人」な漫画作品です。
『温泉ガッパドンバ』(御童カズヒコ)
児童漫画界の超メジャー誌『コミックボンボン』連載作ながら、どおくまんプロの諸作品ばりに、「エロ」と「シモ」が画面を埋め尽くすお下品ギャグで80年代の終盤から90年代の初頭を駆け抜けた一冊。
宇宙からやってきた温泉星カパーランドの王子、ドンバが繰り広げる大騒動を描くコメディですが、ドンバが度を超えておバカでエロい性格な為、各エピソードのほとんどは加藤茶の「う○こち○ちん」レベルのシモネタと、女の娘とおっぱいとお尻の描写に終始しています。
今ではなかなか連載できないような漫画とは思いますが、ドンバが特殊能力を使用する為のアイテム「温泉の素」のアイデアを募る読者参加企画や子どもたちの感性に目を合わせたハイテンションなギャグなど、徹底的に読者を楽しませようとするエンターテインメント精神に満ちており、実に児童漫画らしい児童漫画らしい作品でした。