ぞうさんうんちしょうてんがい

かつて、NHKで放映された詩のボクシングで、谷川俊太郎さんと 激闘を繰り広げたのがねじめ正一さんでした。

続いてご紹介するのは、ねじめ正一さんの文に、村上康成さんの絵がついた『ぞうさんうんちしょうてんがい』です。

文体がとっても詩的。(内容はうんちですが…)詩が他の文章と違う点に、リズムの良さがあると思うのですが、さあ、こちらのタイトルをご覧下さい。

ぞうさん・うんち・しょうてんがい

声に出してみると、なんともユーモラス、楽しくなるではありませんか。ぞうさん・うんち、の後に「しょうてんがい」と来るのがまた意外ですよね。

内容も奇想天外で、トイレトレーニングに何の役に立つの? とマジメなママは思ってしまうでしょうか。ですが、自分の排泄物に親しむきっかけとして、こんなナンセンスな絵本もいいかもしれません。

おトイレさん

なぜかタイトルにうんちがつく絵本ばかりが続いてしまいましたが、最後はこちらの絵本で締めたいと思います。

きたがわめぐみさん作の『おトイレさん』。

主人公がトイレという変わった絵本です。この「おトイレさん」、いい感じに力が抜けてて、トイトレ界のゆるキャラとも呼べるでしょう。

「トイレでおしっこするとたのしいよ」「がんばろう」なんて暑苦しいことは言わない、おトイレさん。ダジャレが大好き、おトイレさん。

決してお上品とはいえない言葉が続出しますが、残念ながら、子どもは夢中になってしまうでしょう。

ここで紹介した絵本には、ひとつもしつけ的なものはありません。

あるのは、普段は人から臭いと言われて嫌がられる排泄物への愛と寛容。

これは子どもそのものの姿ではないでしょうか。最初からおしっこやうんちを嫌う子どもはいません。

特に、初めてうんちを見た子どもは、 純粋な好奇心のみで、自分のからだから出てきたものを見つめるでしょう。それを、汚いから早く流しなさいとか、早く手を洗って、と引き離すのは大人なのですよね。

今日のうんちはいいうんちだったね、とか、紙がいらないくらいスルっと出たね~、と、健康のバロメーターにもなるうんちです。

大人も、せめて絵本のうんちはそんなに嫌わないで、子どもと一緒に楽しめるといいですね。