小ネタ連発に爆笑! のじけん父とのエピソードも飛び出した速水奨
タキシード風のスーツに身を包み、『TIFFアニ!!』が10月31日のハロウィンに行われた事もあって、悪魔の槍とカボチャのバケツを持って登場した速水奨さん。
「有楽町に良いバーがあると聞いて来ちゃったよ〜。客単価が2、30? 30円で良いのね?」といきなり小ネタ&寸劇の連発に、野島さんも「この人はまともに相手してたら進まないぞ(笑)」とたじたじの様子。
1980年10月10日にニッポン放送主催で行われた「アマチュア声優・ドラマ・コンテスト80」に応募し、グランプリを受賞した事をきっかけに、デビューしたという速水さん。「声優になりたかった、というわけでは無くて、賞金が欲しかったの」と、驚きの動機を明かし、野島さんが思わず「金かよ!」とつっこみ。
しかし、その後、どんどん仕事の面白さを知りやりがいを感じていったといいます。
野島さんの実の父である声優の野島昭生さんと一緒に仕事した事や、実の兄で声優の野島裕史さんとのエピソードも披露し、「家のおかしな父や兄が大変お世話になりました」と深々とお辞儀する一幕も。
野島さん自身とはアニメ『出撃!マシンロボレスキュー』(2003)にて初共演となったという速水さんは「野島さんの息子さんとご一緒出来るなんて、本当感激でしたね。
声優のお仕事はキャストもスタッフも役も毎回違うので、まさに“一期一会”。だから楽しいよね」と、声優歴36年の大ベテランらしい深水のある一言を残した。
「ベテランの大先輩なのにとても面白い方で、大声で笑ってしまいました(笑)。サービス精神を見習いたいです!」(飯野)
「リハーサルから拝見させていただきましたが、素の声からとても渋くて素敵な声で驚きました! 大先輩なのに、ああやって気を遣わせずに何でもお話くださる姿勢に感動です」(田中)
寝ていたらネズミが顔の上を走った?! 高橋直純さん衝撃の下積み時代
続いて登場したのは、声優のみならず、俳優、シンガーソングライターとして幅広く活動する高橋直純さん。
岩手出身である高橋さんは、歌手になるという夢を正直に言えば反対されると思い、寿司職人となる事を理由に上京。実際に住み込みで寿司店に就職し、部屋の中にいくつもベッドが入った押し入れの様な場所で“ドラえもん”状態で暮らしていたとそう。
「ネズミが顔の上を走っていた」「疲れて帰ってきて、メロンパンを食べながら眠ってしまったら、ネズミがチューチューそれをかじっていた」という、かなり過酷な修行時代だった思い出を話し、野島も「ええ! そんな大変な……。でもそこから今の様に夢を叶えたわけですから、本当にすごいです」と驚きを隠せない様子だった。
アイドルグループとしてデビューした際は「その時代はワイヤレスマイクが無いので、挨拶の後“さあ歌います!”となったら、コードをぶちっと抜いて、バレバレの口パクでローラースケートで踊り歌っていた」という高橋さん。
「そうやって、色々な場所で歌っていたら、この声を面白いと思ってくださった方がいて、声優のお仕事もする様になりました。それでCDを出したりライブを出来る様になって」と、下積みあっての声優・歌手デビューだったとのこと。
野島さんからは「僕も歌わせてもらっているのですが、楽曲の合間の“フェイク”(間奏などに自由に歌ったりハミングする部分)が苦手で。どうしたら上手く出来ますか?」と質問。
高橋さんは「あんまり偉そうな事は言えないんですけど、上手くやろう、格好良くやろうと意識しすぎずに自然に音楽に身を任せると出て来るんだと思いますよ! 自由に泳ぐ事が大切かな」とアドバイス。
その後披露した『BLUE』では見事な歌唱とパフォーマンスで存在感を示した。
「高橋さんは歌手としてたくさんCDを出されているので、そんな過酷な下積み時代があったなんて驚きました……。でもそんな辛い出来事を皆が笑える様に話していて、前向きな姿勢がとてもカッコイイと思いました!」(飯野)
「驚くばかりのエピソードでした。ワイヤレスマイクが無かったというお話も思わず笑ってしまいましたが、今いろいろな機材を使わせていただいているのが幸せなことなのだと改めて思いました」(田中)
子役デビューとその後の苦悩。小野賢章が見つけた道
最後にBARに訪れたのは小野賢章。
『黒子のバスケ』の黒子テツヤ役や、『文豪ストレイドッグス』の芥川龍之介役など様々なアニメに出演し、2014年にアーティストデビューも果たしている小野さんのルーツは子役。
12歳から10年間映画『ハリー・ポーター』のハリー・ポッター役の日本語吹替えを務め、その他でもダニエル・ダドクリフの作品に出演している。
オーディションに合格した当時の状況について「母がハリー・ポッターの大ファンなので、“やったわね、賢章!!”って大喜びでした」と、母親のマネをしながら臨場感たっぷりに伝える小野さん。
「ハリー・ポッターとかいいなあ!」と、うらやましがる野島さんに、笑顔で応える小野さんですが、「でもハリー・ポッターシリーズが終わった後、学校も卒業していたので一気に時間が出来て暇になってしまって。
このままじゃこの世界で生きていけない、と一念発起し、独学で声優の勉強をしました」と苦労した経験を吐露。
「独学で勉強ってすごいね」と野島さんが感心すると「とにかくアニメをたくさん観て、こういうキャラクターの時はこう、このシーンにはこの声色で、と研究した事をよく覚えています」と小野さん。
人気声優の活躍の裏には、大変な努力があるという事なのでしょう。
また、舞台『ロミオ&ジュリエット』への出演を控えている小野さんは、この舞台に関して「オーディションで思った様に演技が出来なくて、“これは落ちたな”と落ち込んでいたのですが、最後に部屋を出る際に“僕、練習すればするほど上手くいきます!”と言いました。
よく考えたら、それは当り前だろ! と思うのですが(笑)。無事に役をいただけて良かったです」と、オーディション秘話についても明かしました。
「小野さんは大先輩ですが、一番私たちと年齢も近く、色々な作品でたくさんのキャラクターを演じられているので“仕事が無くなる”と焦った経験があるという事に驚きました。
独学で声のお仕事の勉強をしたという事ですが、私達も先輩方の努力の仕方を見習い、日々努力していきたいと思います」(飯野)
「お母さんがハリー・ポッターに決まった際に大喜びしたエピソードなど、とてもおもしろかったです!
小野さんは色々なキャラクターをやられているので、すごいなあと尊敬していたのですが、それが独学の積み重ねによるものだったとう事がビックリです」(田中)