夫にとって「つまらない妻」になると、捨てられる可能性が高くなる

三者三様といったところですが、いずれのタイプにも共通点がある、と大西さん。それは妻が「夫にとってつまらない存在になっている」ことだといいます。

「成功した男性は基本的に上昇志向が強く、さらに成功して人生のステージを上げたい、と野心に満ちあふれ、いかなるときも努力を惜しみません。とはいえ、順調に成長するとは限らず、試練に遭遇することも多々ありますが、自分が置かれた状況を楽しもうとします。

一方で、捨てられる糟糠の妻は、そんな夫に合わせられず、ある一定の地点でとどまろうとします。そこに夫婦間でギャップができてしまい、夫は妻と過ごす時間を楽しめなくなってしまうのです」

ここまで聞くと、捨てられない妻になるには、どうすればいいか見えてきた方も多いのではないでしょうか。

夫の成長を認め、評価するとともに、「夫にとって面白い人」であり続け、人生のステージが変わっても、それを一緒に楽しむ妻になればいい――。言葉にすると簡単ですが、具体的にどうすれば、そんな妻になれるのでしょうか。

夫は「何を感じながら仕事をしているのか」を妻と分かち合いたい

大西さんは、夫が大成しても捨てられることのない妻を「新・糟糠の妻」と名づけ、新・糟糠の妻になる心得を「成功した夫の心理を理解することに尽きる」と断言。

「成功する男性は生きている限り、成功し続けようとするため、最大の関心事は常に仕事です。しかし、同じ会社で働いていない限り、夫の仕事に関する知識量は、夫と同じ会社の人間には勝てないでしょう。ですが、量ではなく“質”で勝つようにすれば良いのです。

男性は自分が『何を感じて働いているのか』を、妻と分かち合いたいと思っています。決して『どんな仕事をしてるのか』をわかってほしいわけではありません。そのうえで夫の心理を理解するために、効率よく情報収集をするなら、夫の会社のホームページにアクセスしてみてください。

トップページに掲載されているキャッチフレーズ、会社の理念、社長の挨拶の3つを読みましょう。キャッチフレーズや理念には、夫が目指す将来像が表現されています。

また、もし夫が経営者ならば、社長の挨拶ページに夫の本音が書かれています。これらを読むだけで、夫の仕事に対する姿勢、つまり“心”を理解できるのです」

新・糟糠の妻こそ、最強の女

ほかにも夫のメディア掲載情報やFacebookなども、夫の「現在の心理」を知るのに有効なツールだと大西さん。ただし、あくまで閲覧するだけでOK。情報を得るだけで、夫とのコミュニケーションが円滑になり、夫が今「調子がいいのか、悪いのか」といった状況を察知でき、それにあわせて立ち回ることができます。

「新・糟糠の妻は、夫がうまくいっているときには、何にうまくいっているのかを理解し、適切なときに喜びを分かち合えます。

一方、停滞しているときには、夫の辛さや大変さを理解し、『また上に上がっていけるよ』と励ますことができます。そのプロセスのなかで、妻も夫も一緒に成長でき、互いをわかり合える関係を維持できるのです」

「成功した夫から捨てられる可能性」は自分の心がけ次第で減らすことができます。新・糟糠の妻として生きることで、自身の人生のリスクを少なくしたいものです。

大西明美さん
婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ43,000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。

小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。

高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。

著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』、『糟糠の妻はなぜ捨てられるのか』などがある。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。