『恐怖』と『快楽』の感情を揺さぶる
人が行動を起こす動機は、『恐怖』か『快楽』です。
つまり、『このまま車を運転することで起こるデメリット』(=恐怖)と、『車を運転しないことで得られるメリット』(=快楽)を伝え、感情を揺さぶることで、より動いてもらいやすくなります。
具体的には、次のように伝えます。
「お父さん、この間、身体の感覚が鈍くなってるって言ってたでしょう。このまま運転し続けると、いつか大きな事故に繋がるかもしれないよ。
最悪、孫の顔ももう見れなくなるかも・・・。これからはなるべくバスを使うとか、歩くようにしたら?運動になるし、体力が戻るかもしれないよ!」
恐怖と快楽、どっちも伝えてもいいですし、どちらかひとつでもいいです。
高齢で精神的にも弱気になってきている親世代には、なるべく『快楽』の感情を与えて動かしてあげたいですね。
超ガンコ者・天邪鬼の親へはこんな伝え方も効果的!
人の言葉には、「いや、それは違う!」とすぐ反発したり、子どもの助言を全否定する親御さんをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。そんな超ガンコ者・天邪鬼な親なら、こんな伝え方もおすすめです。
「最近、高齢者の自動車事故が増えてるよね。お父さんはしっかりしてるから、運転するときは気をつけようとか考えなくてもいいからね」
これは、心理学で『否定命令』というテクニックです。
このように伝えることで、人の言うことには否定から入るのが“癖”になっている親は、「そんなことはない。自分も年を取ってきたから気をつけないといけない!」となるというわけです。
もともと、「ピンク色の象を想像しないでください」と言われても、想像してしまうのが人間の脳です。否定をしていても、脳には「運転するときは気をつけよう」というイメージはしっかり残ります。
また、「運転をやめたほうがいいよ」「気をつけたほうがいいよ」ではなく、「運転に気をつけたほうがいいかもしれないね」という言い方もおすすめです。
「~かもしれないね」という言い方は、押し付けがましくないので、受け入れやすいのです。
年末年始に向けて、義実家や実家に帰省されるファミリーは多いことでしょいう。この時期は、ゆっくり腰をすえて親といろいろ話すチャンスと言えます。
自動車事故の損害保険の交渉人をしている友人によると、やはり高齢者の自動車事故は年々増えているように感じるそうです。
また、年末年始は自動車事故が特に増えるそうですので、高齢になった親だけでなく、私たち子どもも帰省の際は注意したいですね。
今日ご紹介したことを参考に、両親や義両親と、今後の自動車運転について話し合うきっかけを持っていただけたら幸いです。