まずは10万円、最終的には50~100万円を目標に

ママがゼロからへそくりを貯める場合は、どれくらいの金額を目標にすればいいでしょうか?

西山「子育て世代のママなら、最低でも10万円あれば、十分にいざというときの助けになるのではないでしょうか。最終的には50万円から100万円くらいまで増やしておけると、大きなトラブルがあったときにも役立ちます。

そのなかから、ときどきほしいものを買うのもアリだと思います。そのときは、使った分を再び加えておくようにしましょう」

ママの立場別「へそくりの貯め方」

では、へそくりを上手に貯めるコツは? 最後に、西山さんが教える、専業主婦向け、働くママ向けの2通りの「貯め技」をご紹介します。

専業ママの場合

「後々もめないためにも、まずは『節約できた分を、へそくりとして少しとっておいてもいい?』と、さりげなくパパに確認を。生活費の残りから家族の備えとして貯金する分をキープした上で、節約できた分があれば、少しずつ貯めていきます。

たとえば、テーマパークや映画館などのレジャー施設を、割引券を使って安く利用できたとき、外食しようと思ったけれど、家に帰って自分でごはんやスイーツを作ったとき、子どもを美容院に連れて行かずにママがヘアカットしたときなどに、少し浮いた分をへそくりに回すといいでしょう」

働くママの場合

「パートや在宅ワークなどで少し時間に余裕があるママは、専業ママ向けの方法を実践してもOK。ただ、フルタイム勤務や仕事量の多いママだと、節約をして、ちょこちょこ貯金する余裕はないはず。

そんなママには、銀行の自動積立定期預金口座をつくって、月に3000円か5000円ずつ、自動的に貯めていく方法がおすすめです。もしくは、ボーナスが出るたびに、その一部を別の銀行口座に移しておくのもいいでしょう」

両者共通のアドバイス

「お金をタンスの引き出しに入れたり、封筒に入れて額縁の裏に隠したりするのは、紛失や盗難の恐れもあり、避けた方が賢明です。専業主婦のママも働くママも、へそくりを貯めるなら、普段使う銀行口座や貯金用の口座とは分けた、専用の口座をつくりましょう。

自宅の近くのコンビニATMで引き出せて、手数料が一定回数まで無料になるネット銀行は、選択肢の一つとしておすすめです」

改めてへそくりの良い面を知ると、節約にも精が出そうですね。もし、いざというときの備えや子どもの教育費分として、夫も公認の貯金がすでにある程度貯まっているなら、そろそろへそくりの始めどきかもしれませんよ。

取材協力:西山美紀
ライター・ファイナンシャルプランナー。出版社勤務後、2005年にフリーランスライターとして独立。ファイナンシャルプランナーの資格を取得。多数のメディアでマネーや女性の生き方、インタビューをテーマに取材・執筆するほか、マネー記事監修もつとめる。

また、貯められる人貯められない人のデータのべ1万件を分析、実際に500人以上に取材を重ねている。Blog:西山美紀のお仕事×子育てブログ

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。