言葉の力で子どもを一生支えるには?
――『1秒で「気がきく人」がうまくいく』には、「信じているよ」のひと言で、人は救われる、とあります。子育てにも言えることですよね。
松澤:私の勝手な印象ですが、日本人は、人前で自分の子どもを褒めたりせず、「うちの子は○○だから」と、どちらかと言うとネガティブな言葉で、自分の子どもを謙遜する方が多いように思います。
――自己肯定感を高めないということでしょうか。
松澤:以前、こんな事がありました。友人ファミリーとお食事をしていた時、知り合いのお子様が一人で飛行機に乗って沖縄の親戚に会いに行った、という話をしていました。
その話を聞いていた友人のお子様が「ボクもやってみたい!」と笑顔で言ったんです。でも、ママは「あんたにできるわけないでしょ」と言ってしまい、男の子は「いつもお母さんは僕には無理って言う!」と怒ってしまいました。
自分の話になりますが、実は、私は7回も試験に落ちて8回目の試験でCAになったのです。最終的にCAの試験に合格できたのは、何度試験に落ちても、私の夢を否定する人が誰一人いなかったからだと思います。
CAとしては身長が低いほうで、試験の時もコンプレックスでした。でも、親も含めて周りの人はみんな「絶対なれるよ!」と言い続けてくれました。その言葉に励まされて当時の私は、いつか必ずCAになれるという「根拠のない自信」を持っていました。
つまり、お母さんやお父さんが「信じてるよ」「あなたなら大丈夫」と言い続けることは、子どもが自分自身に自信を持てる言葉になるのです。
日本には「言霊」という言葉があるように、言葉は「人」の人生を左右します。一生支える言葉もあれば、一生自信をなくさせてしまう言葉もあると思うと、言葉というのは本当に大事だと思います。
子どもがもっとも自信をもらえる人というのは、ほかでもない自分の親なんだと、私は、自分の経験から感じています。「言葉」が、自分の人生、伴侶の人生、子どもの人生さえも変えてしまう可能性が大きいことを、是非、「意識」していただけたらと思います。
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『1秒で「気がきく人」がうまくいく』には、子育てで実践したいことがたくさん紹介されています。
例えば子どもを叱る時には、その前に褒めるとよいのだそう。子どもがおもちゃを片づけずにいたとしたら、「ブロックでいろんな形が作れるようになったね!でもお片付けもちゃんとしようね」という風に。それが子どもの自信を失わせない叱り方なのです。
心から相手を思いやることを知ると、言葉や行動は自ずと変わってきます。子育てにはもちろんですが、あなた自身の人間関係にも新しい風を届けてくれる、松澤萬紀さんの著書。ぜひ手に取ってみてください。