日本人に対して、魅力的だと思うこと

Ba : KT Chang(張凱婷)/ Photo by Takeshi Yao

ーーここからはElephant Gymと日本との親和性をお聞きします。

みなさんから見た日本に対しての印象や実際に日本に来たり、接したり等の印象や感想からお聞かせ下さい。

「日本はいつも、私たちに対して温かくて丁寧にしてくれます。

ライブで来日するときも、対バンするアーティストもスタッフも、皆親切でプロフェッショナルです。文化の違いに混乱することもあるけれど、それでも親切にしてくれる。

子どもの頃から日本の音楽にも影響を受けているし、漫画やアニメも観ていた。だから今回、私たちの愛する様々な日本の人とモノが困っているということで、とても心配しています」

ーー過去に何度かジャパンツアーも行っておりますが、その際の感想や印象に残っていること、また何かエピソードがあったら教えて下さい。

「ツアーのことじゃなく、初めて日本にツアーに来る前のことが今、まず頭に浮かんできました。

その当時(2012〜2013年ごろ)、私たちはtoeやLITE、tricotなどの日本のバンドに非常に影響を受けていました。1stアルバム「ANGLE」のミキシングエンジニアを探していて、台湾には私たちのような音楽をやっているバンドがほとんどいなくて、非常に苦労していたんです。

そこで友人が、「じゃあエンジニアもやっているtoeの美濃(toeギタリスト兼レコーディングエンジニア 美濃隆章)さんに頼んだらいいんじゃないの?」と言ってきて。

でも日本語も流暢に話せないし、私たちの1stアルバムだし、そんなの叶いっこないと思っていたんです。

でも結局、ダメ元で美濃さんにメールをしてみました。すると驚くことに美濃さんからOKとの返事をもらったんです。2ヶ月後、日本に行き、美濃さんのスタジオにいました。

その時私たちは皆、大学生だったのですが、美濃さんにとって自分たちの音楽は良く聴こえているのかとか、自分たちの身なりがダサすぎないかとか(笑)、すごく気になっていたのですが、彼はいつでもアルバムに対するアイデアやアドバイスを伝えてくれて、それは本当に刺激になりました。

それから、日本のアーティストはとても開けていて、知らないことに貪欲なんだと思うようになりました。

一生懸命、良い音楽と演奏をやり続ければ、そんな人たちと一緒になれる日が来るんだと思いました。

そして、そこからHow to count one to ten, tricot, LITE(アメリカで), WONK, YeYe, MASS OF THE FERMENTING DREGS, DATSなど素晴らしい日本のアーティストと演奏できる夢が叶っていったんです」

日本人は、何かをやろうとする時、誰も知らないところでも信じられないくらい一生懸命働いている

ーーみなさんが日本に対し魅力的や素敵と思われるところを教えて下さい。

「日本人はいつもちゃんとしていて、一生懸命ですね。何かをやろうとする時、誰も知らないところでも信じられないくらい一生懸命働いている。

そういった献身的な姿はいつも日本文化から私たちが学んでいることです」

なんでも今は、活動休止中?

Dr, Per : Chia-Chin Tu(涂嘉欽)/ Photo by Takeshi Yao

ーーここからはみなさんの現在の活動状況を教えて下さい。なんでも今は活動休止中であるとか?来るべき活動再開に向け、現在はどのような準備をしておられますか?

「これまではずっとツアーをやっていたから四六時中一緒にいたので、今はあえてお互いなるべく会わないようにしています(笑)。

なので今のところほとんどメンバー同士では会っていないかな。仲が悪いとかでは全くないですから! 音楽的にそれぞれ皆が新しいことを学ぼうとしていて。

それは何かはまだ秘密ですけど! 再開後の新たな音を楽しみにしていてほしいです。

次のEPやアルバムなどに向けて、それぞれデモを創ることが課せられているのですが、バンド内でさえ、誰ともそれをシェアしないことを決めているので、それは今のところは誰も分からない(笑)」

今後のElephant Gymのビジョン

ーー今後のElephant Gymのビジョンを教えて下さい。

「活動再開後、台湾で最も大きい劇場で演奏する、劇団とのクロスオーバープロジェクトを進行させています。

インストゥルメンタルバンドでもあるので、こういった劇団とのクロスオーバーではより深いストーリーを伝えることができると考えています。

今年1月のジャパンツアーでは、ダンサーとの演出パートを創りましたが、それをさらに発展させたものですね。この状況を乗り越えたら、日本でも本当にすごいものを見せられるようになると思いますよ!」

Photo by Takeshi Yao

出演が決まったFUJI ROCKでみんなに会いたいです!!

ーーCOVID-19が収束し、来日した折には、何かしたみたいこと、会いたい人、行ってみたい場所はありますか?

「もちろん、出演が決まったFUJI ROCKですね。FUJI ROCKでみんなに会いたいです!!」

ーーそのFUJI ROCKですが台湾の方としてどんな印象を持っていますか?

「FUJI ROCKには私たちは一度も行ったことがなくて。でも、きっとこれから先の理想的なライフスタイルを提示していると思います。

人類はどんどん自然から遠ざかっていて、洗練された、清潔な生活になってきています。

けれど、子どものように遊び、木や森から学ぶ謙虚な冒険家として僕らは生まれたはずですから」

ーー今年のラインナップで観たいアーティストさんを教えて下さい。

「GOGO PENGUINがめちゃくちゃ好きなんですよ。

彼らからはいつも影響と刺激を受けてます。いつ彼らのライブを観れるかって常にチャンスを伺ってたんですけど、FUJI ROCKありがとう!!

あとは、NUMBER GIRLですね。海外からチケット取るのは不可能に近かったので。だから……、FUJI ROCKありがとう!!」

・無事事態が収束へと向かい、みなさんとFUJI ROCKでお会いできることを楽しみにしております。今回はどうもありがとうございました。

Photo by:Takeshi Yao

Elephant Gym プロフィール

Guitar, Piano, Synthesizer :Tell Chang(張凱翔) / Bass, Vocal : KT Chang(張凱婷)/ Drums : Chia-Chin Tu(涂嘉欽) *TellとKTは兄妹。

2012年結成、台湾・高雄出身のスリーピース・バンド。台湾では既に代表的なバンドとなっている一方で、世界各国にてリリース&ツアーを実施。2016年8月、1stアルバムが日本でもリリースされ、「SUMMER SONIC 2016」に出演。2019年11月、Tyler, The Creator主催「Camp Flog Gnaw Carnival」(LAドジャースタジアム)出演。2020年1月、日本にて初となる東名阪ワンマンツアーを敢行、全公演ソールドアウト。2020年8月、FUJI ROCK FESTIVAL '20出演決定。

Elephant Gym「SUPPORT JAPAN FROM TAIWAN」

5月11日に、新たにこのクラウドファンディング向けにデザインされた3アイテムのリターンが追加。デザインは全てグラフィックデザイナーのMACCIU が手がけている。詳細はクラウドファンディングのページにて。

【Elephant Gym Crew ナイロンパーカ】(限定100点)