『きょうのできごと a day in the home』は、“不要不急の外出の自粛が要請されたこんな時でも作り手には何かできることがあるのではないか? こんな困難な状況だからこそエンタテインメント作品を作ることを諦めてはならないのではないか?”と考えた行定勲監督が、感染を拡大させないため、6人の俳優と「お家にいようよ」と呼びかけることをテーマに完全リモートで制作した約45分のショートムービーです。

オンライン同窓会の呼びかけで、それぞれの部屋のPCの前に集まった6人が好きな飲み物を片手に好きな映画のタイトルを挙げたり、昔話に花を咲かせるその内容は、現実のリアルとフィクションが混ざり合った不思議な味わい。

俳優陣の素顔のようにも見える自然な芝居で、ささやかな笑いや毒も込められていて、PCで6人と同じように作品を鑑賞している視聴者も同窓会に参加しているような気分にしてくれる。

もちろん、行定作品ならではの驚きの展開にもなっているし、6人が劇中で挙げる名作映画のタイトルは家に閉じこもっているみなさんの今後の鑑賞の参考に。

作品自体も4月24日(金)20時からの配信開始以来1週間ですでに視聴者10万人超を記録し、行定監督のメッセージが静かに確実に浸透していっているようだ。そこで行定監督を緊急直撃!

これを読めば、作品の見え方が変わってくるかもしれない。

※このインタビューは内容に触れています。作品をまだご覧になってない方は。、鑑賞後にお読みください。

この作品を作ろうと思ったきっかけ

――本作を作ろうと思った具体的なきっかけを教えてください。

映画『劇場』の公開が延期になり、ディレクターを務めるくまもと復興映画祭も延期が決まってかなり精神的に参っていました。

作り手がこの停滞している時間に何も作らないのは不健全だとも思っていました。

その鬱屈した気持ちを打破したいと思っていたときに、脚本家の伊藤ちひろさんから「オンラインで何かできるんじゃないですか?」という提案があって、この企画が生まれました。

こういう事変のときには音楽が速攻性があると言われていて、映像は後手に回ること多い。

でも、我々映画人にもやれることがあるのではと考えたんです。

――本作のアイデア(オチ)は、行定監督が思いつかれたのでしょうか?

はい、そこはそうです。

TwitterなどでZoomを使ったリモート飲み会をしている写真を目にしていて、コロナ禍の即時的な設定として採用しました。

基本的には大まかな脚本を私が書いて、その構成立てとキャラクターのディテールを脚本家に書いてもらいました。

出演者はどのように決まったのか?

――柄本佑さん、高良健吾さん、永山絢斗さん、浅香航大さん、アフロさん(MOROHA)、有村架純さんのキャスティングはどのように決まったのでしょう?

俳優たちも家に閉じこもっているんじゃないかと思って、高良健吾に今の気分を聞いてみたところ、「何か出来ないかと思っていました」という彼の言葉をもらえたんです。

それで、信頼できる俳優たちに声をかけさせてもらいました。

――出演のオファーをしたときのそれぞれの反応は?

みんな二つ返事でした。

MOROHAのアフロ君は役者の仕事をするのは初めてなのでかなりホン(台本)を読み込んで質問してきましたが、他の人たちは全く質問もなかったです。

ある意味、即興性を楽しもうという感じだったのではないかと思いました。

――ヒロイン役に有村さんを起用された理由は?

魔性性を感じない、純真さを感じさせる人がいいと考えていました。

意外性のある女優がいいのでは? と思って有村さんに声をかけました。

それぞれの俳優が持ち込んだものとは?

――それぞれのキャストが持ち込んだもの、アイデアなどがあれば教えてください

好きな映画を語るところはそれぞれのアドリブです。

そこをアドリブにすることで、『ラヴソング』(98年日本公開/監督:ピーター・チャン 出演:レオン・ライ、マギー・チャン 主題歌:テレサ・テン)以降の話の流れにリアリティが持たせられるのではないかと思っていました。

――実際の撮影はどのように行われたのでしょうか?

全てリモートで、始まったら最後までカットはかけずに通しました。

それを録画して、最後にテロップだけ入れて、そのまま完成品にしました。

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