宮世琉弥 撮影:友野雄
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  • 『RB17 りゅうびセブンティーン』

藤原竜也さんのオーラに完全に飲まれました

新しい時代を飾る俳優たちが次々と現れるエンタメシーン。その中で、アップカミングスターの呼び声が高いのが、俳優の宮世琉弥だ。

昨年秋、『恋する母たち』(TBS系)に出演。仲里依紗演じる蒲原まりの息子・繁秋役で注目を集めた。

「仲さんとご一緒していちばん勉強になったのは、周りの方々への接し方です。すごく優しい方で、いつも仲さんの方から話しかけてくれて、場を和ませてくれるんです。僕もいつか先輩になったときに、仲さんみたいになりたいなと思いました」

父役を演じた玉置玲央とは、年の離れた友達のような関係だそう。

「玉置さんは、役ではめっちゃ性格が悪いんですけど(笑)、本当はすごくいい方で。一緒に買い物に行ったり、2人ともカメラが趣味なんで、お互いを撮り合ったり。あとは殺陣をちょこっと教えてもらったり。もう少し世の中が落ち着いたら、家にも遊びに行かせてもらう約束をしているんです!」

宮世琉弥 撮影:友野雄

そして、この冬は『青のSP(スクールポリス)ー学校内警察・嶋田隆平ー』(カンテレ・フジテレビ系)に出演。

ドラッグ疑惑で揺れる校内で、事件の鍵を握る元サッカー部員の佐々木悠馬役を演じた。主人公・嶋田役を演じる藤原竜也とは初共演だ。

「藤原さんとのシーンはすっごい緊張しました! 演技って、対面したときにお互いの覇気のようなものがぶつかり合うところがあると思っていて。藤原さんがガンガン来るので、僕も必死に抵抗していたんですけど。気づいたらオーラが後ろまでじわじわと迫ってきていて(笑)。なす術なし。完全に飲まれたという感じでした」

ミステリアスな面差しが、演技の話になると、途端に頬まで紅潮する。演じることが楽しくて楽しくて仕方ないという表情だ。

「現場に行って演技をすると吸収できる部分が多くて、楽しいし、すごく勉強になります。現場は、僕にとって夢の空間ですね」

宮世琉弥 撮影:友野雄

芝居をやっていていちばん楽しいのは、自分じゃできないことをやっているときだと目を輝かせる。礼儀正しくて人なつっこい17歳の少年は、「よーい!」の掛け声と共に別人となる。

「事前にその役のことをいっぱい考えて。これまでの間に何があったのかとか全部言葉にして自分の脳内に吹き込むんです。そしたら、シーンが始まると、その役柄になっているという感じ。台詞も、覚えたものを喋るというより、お芝居が始まったら自然と出てくるという感覚の方が近いです」

学校の勉強は苦手。だけど、演技について学ぶことは楽しいと目を輝かせる。

「お芝居は難しいけど、楽しい。できないこともいっぱいあるけど、できないことができるようになっていくのが楽しいんです。だから、時間があったらいろんな作品を観て吸収できることはどんどん吸収したいし、現場でも共演者のみなさんの演技を見て、ちょっと真似したりもします。

この1年は、仲さんに玉置さん、藤原さんに真木よう子さん、すごい先輩からたくさん近くで吸収できて、僕にとっても大きな1年になりました」

地元でたくさんの勇気をもらっています

宮世琉弥 撮影:友野雄

それだけ俳優業に情熱を傾けるのは、なしとげたい想いがあるから。

宮世は、宮城県出身。小学1年生のとき、東日本大震災が発生した。特に津波被害が甚大だった地域。母親と車の中にいた宮世も、津波によって乗っている車が押し流された。

多くの命が失われた大災害。生き残った自分にできること。それが、俳優として震災があったことを後の世に伝え続けることだった。

2021年3月11日。震災から10年が過ぎた。被災地を故郷に持つ17歳は今何を思うのだろうか。

「10年の時間ってやっぱり大きくて。あのとき、0歳だった子ももう小学5年生になってる。その子たちは震災のことは直接は知らないわけじゃないですか。そうやって時間が経っていけば、どんどん震災を知らない人たちが増えていく。そこで風化させないように、ちゃんとあの日起きたことを発信し続けたいです」

宮城の少しずつ復興の路を辿る街並みが、宮世にエネルギーをくれるのだという。

「あんなことがあっても、みんなあきらめてない。今この瞬間も頑張っている。その姿に、勇気づけられるというか、僕もあきらめないぞというスイッチが入るんです。

でもまだ決して復興は終わっていない。もっともっと時間と支援が必要です。震災を知らない人たちに、どうやってそれを伝えていくか。まだまだ僕にその力はないですけど、去年よりもさらに力を入れて発信していきたいです」

宮世琉弥 撮影:友野雄