美麗アートの数々と共に知る、作り込まれた『アナ雪2』の世界

前作を超える壮大なスケールと、エルサのルーツ、そしてアナのこれからを描いた作品である『アナと雪の女王2』。

今作では、姉妹はアレンデール王国を飛び出し、エルサだけにしか聞こえない「声」を求める未知の旅へ出かけます。

決して消えることのない霧に囲まれた、魔法の森「ノーサルドラ」。

エルサの心が求めた、大いなる氷河「アートハラン」。

『アナと雪の女王2』にて新しく広がった世界は、どれも恐ろしいほどに美しく、エルサはもちろん、映画を見ている私たちの目も奪われてしまいます。

本書、「ジ・アート・オブ アナと雪の女王2」では、映画ではじっくり見ることの出来なかった背景や草花が、なぜそこにあるのか? どういう意図で配置されたのか、なんとなく見ていた景色すべてに意味がある、ということを知ることができます。

例えば、ノーサルドラの森に生える木々一本一本についても、ノルウェーの植物学者に相談し、どのような植物が生えるのか、という徹底したリサーチや、それをどんな風にアニメーションに落とし込む必要があったか、などの制作秘話も記載されています。

また、この本の中で特に目を引くのが、「アートハラン」のコンセプトアートの数々です。

第五の精霊の声に誘われたエルサが、ついにたどり着いた氷河であるこの場所は、まるで宝石のように美しい空間です。

エルサの記憶や経験を元にした夢のようなこの場所は、現実離れしつつも、見ているだけで吐く息が白くなりそうな錯覚を覚えるほどの現実味があります。

アートハランを初めて見たとき、美しさ、雄大さと共に、吸い込まれていくような入り口やどんどん深みに進んでいくような構造に、少し気味の悪さも感じました。

それらも全て、制作スタッフたちの途方もない調査と膨大な作業の結果であり、監督たちの狙い通りというのですから若干の恐怖を覚えます。

どんだけ作り込んでるんだ、ディズニー…。

広大な氷河では、光の三原色(赤、緑、青)が異なる速さで吸収される、だなんて知っていました? 私は知りませんでした。

そんな科学的な要素も含め、ただ美しいだけではない、「それがそこにある意味」を教えてくれる、充実した内容になっています。

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