9カ月以降は、鉄分が大切。タンパク質類は少しずつ試して
また、適切な時期に離乳食を食べないと栄養素が不足します。
9カ月以降になったら、鉄の多いたんぱく質や野菜などを積極的に摂れるようにしていかないと、栄養不良や貧血になりやすい。貧血は中枢神経など発達に影響があるので、きちんと鉄分を摂るようにしましょう。
鉄分が多い食べ物は、卵黄や、肉・魚などのタンパク質類。けれども、食物アレルギーを恐れるあまり、そういった食品を食べさせない場合があるんですね。
食物アレルギーは、保護者の方にとっては心配かもしれません。ネットなどを見て、あげてはいけないんじゃないか、与えるとアレルギーになってしまうのではないかと不安になり、結局食べさせなかったりしていることが多いものです。
しかし、与えずにいると9カ月以降では鉄分が不足してきます。栄養が足りないとまた逆に、悪い影響が起こります。たんぱく質には大切な栄養が詰まっているので、怖がりすぎずに少しずつ慣らしていかないといけないのです。
離乳食は、いろいろな食品に慣れていくためのもの。赤ちゃんの成長に合わせて、問題のないものから少しずつ始め、少しずつ増やしていきます。
特定の食品だけ食べていればいいというものはありませんので、偏った情報に振り回されないようにしながら、当たり前の食生活、当たり前のバランスのとれた食事を、地道にやっていくことが大事だと思います」
まとめ
最後に、太田先生の話をもとに、離乳食で避けたいもの、食材ごとの注意点をまとめてみました。
【避けたいもの】
- 味が濃いもの(塩分・糖分が多いもの)
- 食物繊維が多すぎるもの
- 油脂の多いもの
- 食品添加物を多く含むもの
- 誤嚥しやすいもの
- 牛乳(1歳まで)
- はちみつ(1歳まで)
【注意点】
-
卵
しっかり加熱してから、少量の卵黄から与える(卵白のほうがアレルギーが多い)。
加熱することでアレルギー性が弱まる。 -
乳製品
加熱してもアレルギー性は弱まらないので、少しずつ与える。 -
小麦
加熱してもアレルギー性が弱まらないので、少しずつ与える。
おかゆから始め、その後パン、うどん、パスタなどを試していきます。 -
日本そば、ピーナッツ
強いアレルギー症状を起こすことがあるので注意する。 -
生野菜(トマト・きゅうりのすりおろしなど)
家庭では、調理器具など清潔にして調理してからすぐ食べさせる前提で与えてOK。 -
刺身
生ものは与えず、必ず加熱する。2歳頃から少しずつ与えてOK。
ただし、鮮度のよいものに限る。 -
豆腐
家庭では、封を開けてすぐならそのまま与えてOK。鮮度のよいもののみ。心配なら加熱を。
★詳しい離乳食の進め方については、厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(41P~「離乳の支援のポイント」)に則した方法で行うのがよいとのことです。