子どもが夢中になるおもちゃと大人の関わり
我が子が夢中になり、繰り返し遊びたくなるおもちゃが見つかったら、大人の関わりも大事であるようです。
具体的なおもちゃとともに、子どもが夢中になる遊びと大人の声かけを岡田さんに解説いただきました。
1.積み木やブロック
岡田「積み木やブロックは、作った後にしばらく飾っておけるようなスペースを作り、そこで遊んでもらいます。作り終えたら、そのままにして、ぜひ親子で会話をしてもらいたいですね。
例えば家を作ったら、『その家には誰が遊びにくるの?』『お庭には何があるんだろう?』と聞いてみましょう。すると子どもは想像力を働かせます。
こういった親子の会話によって、子どもは次に作るものをイメージし、次の創作に集中することができます」
2.カードゲームやボードゲーム
岡田「短時間で終わるゲームであっても、勝ち負けがあると、悔しかったり、嬉しかったりします。この感情の変化が『もう一回やろう!』につながります。慣れてくると、その都度戦略を考えたり、相手との会話を楽しんだりするようになります。
最初は大人も一緒に遊んで、ルールを覚えたら、子どもたちにまかせましょう。親が『〇回勝ったらチャンピオンね』など回数を設定したりすると遊ぶ時間も長くなります。
入門としてはトランプがおすすめです。色々な遊びもできますし、大人も子どもの頃に遊んだ人も多いためです」
おもちゃの例「テディーメモリー」
カードゲームの具体例として「テディーメモリー」というものがあります。同じ格好をしたクマのペアを探していくゲームですが、色々な遊びをすることができます。
面白いカードゲームを探しているなら、ぜひ取り入れてみましょう。
3.けん玉・お手玉・おはじき・あやとり
岡田「けん玉やお手玉、おはじき、あやとりなど、昔から伝わる遊びには、練習を重ねて、少しずつうまくなる遊びが多いです。こういったものは子どもの集中力を伸ばします。
常に大人が上手くなければいけない訳ではありません。『お母さん3回しかできなかったよ』『〇〇ちゃんがんばったね』『もう一回やってみよう』など、できた・できないではなく、続けられたことを一緒に喜ぶ感じが良いかもしれませんね」
4.じっくり取り組むおもちゃ
岡田「じっくり取り組むおもちゃとは、例えば、パズルやペグさし、ヒモ通しなど、指先を使ってじっくり取り組むものです。
集中しているなと感じたら、声はかけずそっとしてあげましょう。できあがったら、飾って、どこの部分を頑張ったか聞いてみてもよいですね。
また、作る目的を最初に親子で話し合うのもよいです。この壁にこのようなものを飾りたいとか、窓際に並べるものを作ろうなど、親子で会話をしてから製作に取り組んでもらうと、考えて集中するきっかけになります」
5.ごっこ遊びのおもちゃ
岡田「ままごとや、〇〇屋さん遊びなど、なりきって遊ぶものは、なるべく集中して遊んでもらえるように、子どもが大人から背を向けた状態で、おもちゃをセットしたほうがよいですね。
ごっこ遊びが1人ではむずかしい場合は、ぬいぐるみなどのお友達と一緒に遊びましょう」
親にとって子どもの成長に気付ける貴重な時間
最後に、岡田さんはこの在宅時間が増えている最近のことについて、次のようなこともお話していました。
岡田「この状況下で、子どもと一緒にいる時間が増えましたが、それは親にとって子どもたちの成長に気づけたり、こんなことが好きだったのかということに気づけたりする時間になっているかもしれません。
昨日できなかったことが今日できた喜びを一緒に感じたり、子ども特有の思わず吹き出してしまうコトバや行動をリアルタイムで感じたりすることは、私たち大人にとっても、癒しの時間なのかもしれません」
子どもが仕事中に夢中になる遊びやおもちゃ、大人の関わりを教えていただきました。
前提として大事なのは、親が近くにいるという安心感。そして親の充実した気持ちも子どもの「夢中」の手助けになりそうです。
【取材協力】岡田 哲也さん
認定NPO法人 芸術と遊び創造協会 人材育成事業部/おもちゃコンサルタント
全国にておもちゃを使ったあそびの研究・実践を行っている。駒沢女子短期大学・植草学園大学 非常勤講師 NHK Eテレ『まいにちスクスク』 出演
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