コロナ禍がもたらす変化を経て今、思うこととは?
実際、人気監督である李監督は『怒り』以降、さまざまな企画に取り組んできたと言い「作業を進めていくと、本当にやりたい“核”とズレていき、かみ合わなくなることも。根幹に迷いがあると、怖くなり、その先に進めなくなる」と複雑な胸中を明かす。
その上で、コロナ禍がもたらす変化を経て「その前に準備していたものが、悪い言い方をすれば色あせて見えてしまうというか……。同じ色合いで本当に再開すべきなのか、悩まないといけない」と“その先”を見据えた。
「そうなると、結局『楽しいから』『好きだから』に帰るしかない。そういう意味で、学生の頃の映画は、恥ずかしくもあり、原則に立ち返ることが、生き残る一番の強みになるのかなと。変化が見えるのはもう少し先。そのとき、うろたえないように」(李監督)
今年、公開から10周年を迎える『悪人』について、「何度も取材で言っていますが、役者としての人生観が変わった」と断言する妻夫木は、「それまでの役作りは足し算の方向性だったが、李さんに追い込まれて(笑)、自分自身も追い込んで、引き算で自分を捨てて、役になってしまおうと。明確に覚悟が一番大事なんだろうなって」とあらためて“覚悟”という言葉をかみしめ、「コロナでどう変わったか……。そこに縛られずに、今にしがみついて生きていこうかなと」と俳優業に対する思いを新たにしていた。
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