六本木ヒルズ森タワー52階にある森アーツセンターギャラリーでは、『おいしい浮世絵展 〜北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい〜』が7月15日(水)に開幕した。
江戸時代を代表する浮世絵師、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳らが描いた、食にまつわる浮世絵をピックアップ。
浮世絵そのものの魅力と江戸の食文化を紐解くと同時に、実際に当時どのような料理法が存在したのかについても紹介される。
『東海道中膝栗毛』の弥次さんと喜多さんをイメージした衣装で事前見学に訪れたのは、同展覧会サポーターを務めるお笑いコンビ、ナイツのふたり。
「江戸時代の食文化がここまでリアルに描かれているということに感動した」と言う土屋伸之。
塙宣之は、「今でも作れそうな料理を浮世絵から発見してほしい」と語り、「多くの人に作ってほしいので、料理系のユーチューバーの人に来てほしいですね」とアピールした。
ナイツのふたりが「お寿司や蒲焼きとかは、今と同じような感じ」と語った江戸グルメ。すし、天ぷら、蕎麦といった現代でも人気の料理は、江戸時代後期に庶民の間に普及すると、さまざまな場面で楽しまれた。
そんな豊かな江戸の食文化を切り取った浮世絵を集めた同展。会場内は、「季節の楽しみと食」「にぎわう江戸の食卓」「江戸の名店」「旅と名物」の4章構成で展開する。
第1章「季節の楽しみと食」
第1章「季節の楽しみと食」では、春は花見の弁当、夏はスイカ、秋はお月見団子、冬はお餅に焼き芋と、今も変わらない季節ごとの食文化を見ることができる。
また、江戸の人々が熱狂した歌舞伎の芝居小屋を描いた《中村座内外の図》では、菓子・弁当・すしなど楽しみながら芝居に興じる人々の姿に注目したい。
第2章「にぎわう江戸の食卓」
第2章「にぎわう江戸の食卓」では、「すし」「鰻」「天ぷら」「蕎麦」「豆腐」「初鰹」など、描かれた料理や食材別に紹介。
江戸で誕生した握りすし、タレをたっぷりつけた蒲焼き、江戸湾で獲れた魚介の天ぷら、屋台で楽しむ二八蕎麦、鹿肉を使った牡丹鍋など、目にもおいしい浮世絵が次々に登場する。
また、国芳が多くの人で賑わう日本橋魚河岸を描いた《本朝名橋之内 江都日本橋略圖》、北斎が江戸湾の魚介類を描いた《北斎漫画》なども一見の価値あり。
江戸の人々の食材へのこだわりがうかがえる。