『ブラックパンサー』ディズニープラスで配信中 © 2020 Marvel

続編である『ブラックパンサー2』の公開予定は、2022年5月。

あと1年半と少し先でした。

ディズニー社や監督からの正式な発表はまだなく、制作がどこまで進んでいたのか、氏の逝去によって本作がどうなるのかは、いまだ判明していません。

ここからは「もしも…」の話です。

今猛威を振るっている、世界的な疫病がなければ、彼がいつも通りの生活を送れていたら。

制作陣に自分の病気のことを伝え、無理のないやり方で、撮影時期を早めることが出来ていたら。

もしかしたら、世界中が憧れた私たちのヒーロー、ブラックパンサーの未来を、演じることが出来ていたかもしれない。

でも、それはあまりにも過酷な話だ、とも思います。

世界中で愛される、唯一無二のヒーローへと成長してしまったからこそ、人々が描くブラックパンサー像を崩すわけにはいかない。

誠実でひたむき彼は誠心誠意、全身全霊で撮影に臨み尽くしたはずです。

結果的に、残り少ない彼の命をさらに縮めるものになっていたかもしれない。

『ブラックパンサー』ディズニープラスで配信中 © 2020 Marvel

亡くなるほんの数ヶ月前、彼はパートナーだった女性と、ひそかに結婚していました。

自分の人生がいよいよ終わろうとしている事を悟り、最後の数ヶ月を愛する人に見守られながら、共に穏やかに過ごす決断をしたんだと思います。

もし、望まれるまま無理をして撮影に望んでいたら。

そのわずかで儚い数ヶ月さえ、もしかしたら叶わなかったかもしれない。

そう思うと、「続編はどうなるの?」「観られないかもしれない、悲しい!」なんて私たちの心配は、今は考える事さえ憚られるのでは、と思ってしまいます。

『ブラックパンサー』ディズニープラスで配信中 © 2020 Marvel

この最期の数ヶ月だけでも、どうか、どうかチャドウィックさんが穏やかで安らかであったと信じたい。

想像し難いほどに、誰よりも無念だったと思います。

自分が演じ、世界中で愛されたヒーローの、その先の物語を続ける事が出来なくて、誰よりも悔しかったはず。

また、優しく慈愛に溢れ、寛大な彼のことです。

未曾有の疫病、再び表面化し数々の痛ましい事件を起こした人種差別に、大勢の人を巻き込んだ騒動。

きっと胸を痛めていたに違いないはず。

でもどうか、どうか、絶望せず、愛するパートナーと穏やかで安らかな時間を過ごせていたと信じたい。

これ以上胸を痛める事をせず、ただ穏やかであって欲しい。

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