旅立ってしまった事実を、絶対に信じたくないし未だ受け入れられないけど、それでも、やはり彼には謝辞を述べなければならないと思います。
伝えきれないほどの感謝の気持ちを。
自らの命を削る想いで、ブラックパンサーという至高のヒーローを、この世に生み出してくれたこと。
投げ出さず、弱音を吐かず、最後まで完璧にブラックパンサーを演じ、MCUの集大成である『アベンジャーズ/エンドゲーム』まで完走してくれたこと。
東の果ての小さな国で、こんなにもあなたに恋焦がれ、慕い、憧れ、敬愛している1人の東洋人がいるという事、知って欲しかった。
黒人だけのヒーローなんかじゃない。
人種差別とは無縁の、気楽で平凡な東洋人にとっても、ただ1人の代え難い存在であるという事、伝えたかった。
私にとっては黒人も白人も黄色人種も関係ない、大好きで敬愛すべき、尊い1人のスーパーヒーローでした。
続編が見られないから残念だ、なんて、そんな気持ちじゃない。
そんなに簡単に割り切れるものではありません。
恋い焦がれ、慕い憧れ敬愛していた自分のヒーローが、若くして抗えない病気でこの世を去ってしまった。
その事実だけでも受け入れ難いのに、まさか彼の存在を知り、大好きになるきっかけをくれた作品たちが、全て病魔と闘いながら、命を削りながら、作られたものだったなんて。
訃報を聞いてからも、これを書いている今も、涙が止まりません。
悲痛なんて言葉では足りない。これは不条理だと思う。
怒りさえ覚えてしまいます。こんな不条理が許されていいの?
こんなにも愛され、才能あふれる崇高な人間を、若くして病魔で絶望させ、愛するパートナーとの長い時間も奪い去った。
全世界の人間に希望を与えたヒーローの未来を描くことすら許されず、世界中に望まれ憧れられた、ただ1人の人を、無情にも連れ去るなんて。
まだまだ終わらない、輝かしい未来が用意されていたはずだった。
世界中の希望となり、語り継がれる偉業をこれからも成し遂げられる人だった。
あまりにも早く、あまりにも無情です。
悪いけれど、こんな不条理を受け入れられる寛容さは、今の私にはまだありません。