「ブランド牛のハンバーガー」、食べたことある?
うまい肉党の諸君! 君たちはブランド牛のハンバーガーを食べたことがあるか? 国産和牛でも国産黒毛和牛でもない、ブランド牛のハンバーガーを、だ。自慢ではないが、私は一度もない。
もちろん、ブランド牛のステーキなら何度かある。が、ブランド牛ハンバーガーは未体験。
これまでブランド牛の産地をあちこち取材したことがあるが、焼肉やステーキ、ハンバーグを食べさせてくれる店こそあれ、ハンバーガーを供する店は見たことがない。
もしかすると、ブランド牛を使うハンバーガー屋は極めて珍しいのかも。ところが、灯台下暗しだった。
『浅草花やしき』の眼の前に「米沢牛バーガー」と「淡路牛バーガー」を食べさせてくれる『K'sキッチン』が5月末にオープンした。
以前、山形で米沢牛のステーキを賞味したことがある。グラム数は記憶にないが、手のひらサイズの、小指ほどの厚さのステーキが7000円だった気がする。
浅草のこの店では、そんな高価な米沢牛を使ったハンバーガーを1500円(価格はすべて税込)で提供している。
淡路牛バーガーは1280円。国産和牛の「厳選牛K'sバーガー」は1000円。
そもそも米沢牛と淡路牛の味の違いがわかるのだろうか。違いがわからない舌だったら、(金輪際、食レポは辞めよう)と心に誓い、食べ比べに挑んだ(大丈夫か、俺)。ハンバーガーの中身は牛肉以外すべて同じだそうだ。
まずは米沢牛バーガー。脂が多く、なめらかな舌ざわり。しかも肉肉しい。
淡路牛バーガーは優しい味わい。脂は米沢牛バーガーと比べると少ないものの、肉汁を多く含んでいる。
(違いがわかる舌でよかったなあ)と安心していると、男性に声をかけられた。オーナーの藤本和正さんだ。
「味の違いがわかりましたか? うちの米沢牛は最高ランクのA5です。一般的なパティと比べるとパサパサしていないでしょう?」
確かに、米沢牛バーガーは美味い。キョウレツに美味しかった。けれど、1500円はちょっとなあ……。
「自分も価格的にK's バーガーが一番売れると思っていました。ところが、年齢に関係なく、来店者の9割が米沢牛バーガーを注文します。リピーターも多いです。味の違いがわかるんでしょうね、きっと(笑)」