ひき肉を丸めたハンバーグをパンではさんだものが、ハンバーガーである。
専門用語を使うならば、パティをバンズではさんだものがハンバーガーということになる。

ところが、

〈パティの材料にはきまりがない。旨ければどんなパティでも、どんなハンバーガーでもいいではないか〉

と考えるハンバーガーショップがある。「シェイクツリー バーガー&バー」(墨田区亀沢)である。

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錦糸町駅から徒歩9分。駐車場もないこの店の、オリジナルハンバーガーを目当てに、わざわざ足を運ぶ客が後を絶たない。

一般的なハンバーガーもあるが、「世界ハンバーガー倫理委員会」(通称:世ハ倫)が定めた、ハンバーガーの定義から大きくハズレているオリジナルメニューが多い。

世ハ倫からすれば、この店は目の上のたんこぶ。「メニューを一考してもらいたい。ドンドン(机を叩く音)」と、大目玉を喰らうにちがいない。

いったいどんなオリジナルハンバーガーがあるのか、紹介しよう。

たとえば、「チャンキー・ジャンキー」(1,600円)。

このハンバーガーは、ひき肉を使っていないのだ。食べやすいサイズにカットしたステーキ用アメリカ牛で作ったパティ(180グラム)をバンズではさんで食べる。

ソースはオニオンバーベキューソースか、ホースラディッシュソース。

心地よい食感、噛みごたえのある、つなぎ不使用のパティが、愉快この上ない。ステーキを食っている感覚。

数回噛んだら、すぐに飲み込めそうなハンバーガーとは真逆。(いま、俺は肉を食っているゼィ)と実感できる。よくぞこのハンバーガーを考えてくれたものだと、考案者の肩を叩きたくなった。

パティをバンズではさむというハンバーガーの定義を、根底からくつがえすメニューもある。バンズなしの「ワイルド・アウト」(1,450円)だ。

バンズの代わりに、2枚のパティを使用。トマト、オニオン、チェダーチーズをパティではさんである。ソースは、定番のオニオンバーベキューソース。