木造伝統家屋で足湯&韓方茶

「ソルガホン」は、地下鉄3号線景福宮駅3番出口から600mほど北上したところ 写真提供:ソウル観光公社

お寺や山歩き、精進料理で心身はきれいになったが、たくさん歩いて足が疲れた。そんなときにおすすめなのが、通仁市場の東側出口前の大通りを隔てた向かい側の路地を入ったところにある「ソルガホン」だ。

ここでは足湯と韓方茶(漢方茶)が楽しめる。

足湯はソウルの足マッサージ店や地方都市の漢方文化センターなどで経験済みだが、ここはプラスチック製の器具ではなく、木造の床に掘った小さな浴槽のようなところに足を入れるのが特徴だ。

そこに張られたお湯には、抗菌、日焼けの鎮静、血行促進などの効果があるとされるヨモギをはじめとする韓方材が入っている。

足湯の上にはスノコのようなものが置かれ、それをテーブル代わりに足湯に浸かりながら韓方茶をいただく。

漢方茶は5種類以上あり、日本語で効能が書かれているので、体調に合わせて選ぶといい。

木をふんだんに使った伝統家屋の中庭で、韓服に身を包んだスタッフにあれこれ世話を焼いてもらいながら、足湯と韓方茶を楽しむ時間は実にぜいたくだ。

ソルガホン
鍾路区昌成洞155 ℡:02-738-3366
11:00~22:00 無休

ソウルを横断する大河、漢江でヨットクルーズ

ヨットクルーズで漢江から堂山(ダンサン)鉄橋(地下鉄2号線が通過)を望む

東京や大阪、台北や香港など、東アジアの他の都市にないソウルの魅力といえば、都市を横断する大河の存在ではないだろうか。

ソウルのようにクルマが多く、繁華街には宣伝音楽が大音響で流れ、人々は大きな声でしゃべり、世話焼きが多く、人間関係も少々暑苦しいところでは、美しい景色が浄化装置になる。漢江はまさにその大役を担っている。この大河に向かえば、視界が一気に広がり、解放感にひたることができる。

筆者はソウルに住んで40年以上になる。この刺激的過ぎる街に疲れることもあるのだが、クルマや電車、ときには運動がてら片道20分くらいかけて漢江を歩いて渡ると、気分がスカッとする。心の憂いを文字通り水に流せるような気がするのだ。

「ソウルマリーナ クラブ&ヨット」のクルーズは、大河・漢江を満喫する最高のアクティビティ。国会議事堂のある汝矣島(ヨイド)付近を1時間ほどセーリングする。高層ビル街や市場を歩くのとはまた違ったソウルのスケールを肌で感じられる貴重な体験だ。

この夏、ヒーリングをテーマとしたソウルの山歩きと水上散歩をぜひ楽しんでもらいたい。

ソウルマリーナ クラブ&ヨット
永登浦区汝矣島洞81 11:00~21:00

鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。