寝る前の言葉がけは潜在意識に刷り込まれる

――たとえば子どもが絵を描いていて、よくできていると思うんですが、「でもここをもっとこうしたほうが」とか余計な一言を言ってしまって不機嫌にさせることがあります。 

福田:それは自分でも自分に余計な一言を言っているんですね。自分が「もっとこうやっておけばよかったのに」とか、「もっとできたんじゃないか」と日頃から思うクセがついているんです。

否定がなければいいんですよ、今回はこうだったけど次はこうしたらもっとよくなるから、次はそうしてみようとか。「こうしておけばもっとよかったのに」と否定形で物事を考えていると、子どもにもそういう言葉がけになるし、伝わる、ということです。

――やっぱり、自分への言葉がけから変えていかないといけないですね。他に、心がけたほうがいいことはありますか?

福田:寝る前って潜在意識に入りやすいので、寝る前の思考や言葉は思い込みにつながります。なので、寝る前に自分に優しい言葉を掛けるのはおすすめです。私も、自分に「愛してる、ありがとう」って言いながら寝ています。

子どもたちにも教えたら、今では一緒になってやっています。

自分自身だけでなく、子どもに「愛してるよ」とか、寝る前にプラスの言葉を言ってあげるのも、もちろんいいと思います。「自分は愛されている人」って刷り込まれるので。そういう言葉って、寝る前だと特にすっと入っていくんですよ。

――なるほど。それは取り入れやすそうです。

福田:願いって叶わないものって思いがちなんですけど、1日の中で叶っている願いのほうが多いんですよ。

服を着たいと思って「ギャー着れない!」とかないし(笑)、家から一歩出たいのに出られない!とかもないじゃないですか。ほぼほぼ99.9パーセント叶っているんです。叶わない0.1%を見て「叶わない」って思ってしまっているだけ。

それって、「自分は願いが叶わない人」って刷り込んでしまっている状態ですよね。自分は願いが叶う人間だな~って思っていると、本当に願いも叶いやすくなるんです。運がいい人もそうなんですけど。

例えば、子どもが「〇〇欲しい」って言っていたとして、クリスマスや誕生日にそれが手に入ったときに「ほら、やっぱり願いが叶ったじゃん!」と言ってあげるだけで、「自分は願いが叶う人」って潜在意識で刷り込まれていきますよ。

――それを聞くとますます、自分にも子どもにもポジティブな言葉だけをかけてあげたいなって思いますね。

福田:自分を許しつつ、自分への言葉がけを変えていくと、必ず子どもへの言葉がけも変わります。

評価って、行動と結果と存在に対してされるものですが、行動と結果の評価ばかりして存在の評価がおろそかになると「行動と結果を評価されされないと私はここに存在してはいけないのではないか」って切り離せなくなってしまうので、存在の肯定って重要なんです。

「愛してる」とか「大好きだよ」とか「かわいいね」とか、ありのままを受け入れてあげるということですね。

誰しも自分や自分の子どもには厳しくしがちだし、それが子どものためと思ってしまうんですが、子どもにイライラするお母さんは、まずは自分に優しくするっていうのをうまく心がけてほしいなと思います。

本書では、子どもにイライラしてしまう具体的な事例をもとに、そのシーンでの自分の心の仕組み、そして自分にかけてあげるべき言葉を、イラスト付きで解説しています。

子どもにイライラする、怒ってばかり…そして、そんな自分に自己嫌悪。悪いサイクルに陥ってしまっている自覚のある方は、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。自分を肯定できる優しい言葉の数々に、心がふっと軽くなるかもしれません。

【取材協力】福田花奈絵さん
国立教育大学卒業後、公立小学校教諭として10年以上勤務。2人目の出産後、子育てに行き詰まり、カウンセリング、保育学、コーチング、パートナーシップなどを並行して学ぶ。教員を退職し、子育てで悩む母親専門のカウンセラーとして活動を開始。
全国各地でグループカウンセリングやランチ会を行う。Instagramのフォロワーは3.9万人以上。

エディター&ライター。エンタメ誌などの編集を経て、出産を期にライターに。ミーハー精神は衰えないものの、育児に追われて大好きなテレビドラマのチェックもままならず、寝かしつけたあとにちょこちょこと読むLINE漫画で心を満たす日々。