悪戯や独自の美学を楽しむことを愛する国【西の国】
見た目に違わぬ色っぽ愛憎美人|シャイロック (VOICE:立花慎之介)
言葉使いや所作が色っぽく、すべての賢者をドキドキさせて止まない魔法使いが、シャイロックです。
西の国の貴族の出身で、代替わりする一族と長い時間を過ごしていました。
時代の波に揉まれ一家は離散してしまいましたが、その後は土地に残ったシャイロックが魔法使い専用の酒場を経営しています。
こだわりが強く、彼の酒場は彼のお気に入りの調度品ばかりが揃い、特に気に入っていたという人間の職人が作っていたグラスを購入するために、職人の看病をしながら2年も一緒に暮らしていたことがあるほどです。
優しく紳士的でありながら、蠱惑的な言葉でよく賢者を骨抜きにしてきます。
西の魔法使いムルとは古い付き合いですが、飼い主と飼い猫のような関係になっており、公式で「愛憎のふたり」として括られています。
シャイロックにも「奇妙な傷」があるのですが、それは突然心臓が燃えて苦しむという、それは魔法使いでも大丈夫なの…? と心配になるものです。
ちなみに全然大丈夫ではなさそうです。
シャイロックは賢者によく「可愛らしい人」と言ってくれるのですが、その甘やかすような蕩ける声に、本当に勘違いしそうになりますが、西の魔法使いに本気になると身を滅ぼすのでご注意ください。
でも、こういうこと言うと「おや? 勘違い、してくださらないのですか? 」って言ってくるんでしょ、賢者知ってるんだから!
世紀の知恵者、有名な哲学者であり厄介事製造にゃんこ|ムル (VOICE:仲村水希)
物語が始まるときに、賢者が一番はじめに会う魔法使いが、この西の魔法使いのムルです。
〈大いなる厄災〉である月に恋をしていて、月を想って近づき過ぎたあまり、魂が砕け散ってしまった、という不思議な魔法使いです。
そして「奇妙な傷」により、ムル本人とは別に、砕けた魂の欠片に実体が生じています。
欠片から生じたムルは、ゲーム開始時の大きな魔法使いの帽子に燕尾服とマントを着て、賢者の前に現れます。
心が砕け散ったばかりの頃のムルは、言葉も通じず、服も着ないで飛び回っていたそうです。
シャイロックによる情操教育のおかげで、なんとかじわじわと元のムルに戻ってきていますが、すべてシャイロックのさじ加減なので、どのくらい元のムルに戻っているのかは誰にもわかりません。
他の魔法使いたちからはやんちゃでかわいい、猫のように気まぐれな性格だと思われていますが、時に確信を突くような発言をしたり、好奇心から人の傷口に塩を塗るようなことを笑顔で言ったりと、トリッキーな性格で人々を惑わしています。
ムルのやらかしで、可哀想なシャイロックは二回もオズに命乞いをしています。
やばめな印象が強いムルですが、仲間を慮る一面もちゃんとあり、疲れている様子の賢者に対しては「頑張ったんだね! えらいね! 」と声をかけてくれるなど、優しいところもちゃんとあります。
月に向かって愛を囁くムルと、賢者に優しくしてくれるムルと、自分の命よりも好奇心を追い求めるムル。
どんなムルも、とても魅力的です。
世界一幸せになってほしいしこれからずっと毎日笑顔でいてほしい|クロエ ( VOICE:天﨑滉平)
私が『魔法使いの約束』というゲームを始めて、本当によかったと思ったことのうちのひとつに「クロエに出会えたこと」があります。
赤い髪はくるくると跳ねて、大きな瞳はアメジストのように輝いている西の魔法使いが、クロエです。
手先が器用で、お裁縫とお洒落とおしゃべりが大好きな、明るく社交的な性格の20歳の青年です。
西の国にある貧民街に生まれたクロエですが、彼にとっては生まれた家も、家族も、決して良い思い出ではありません。
クロエの家族は仕立て屋を営んでいましたが、家族内で唯一魔法使いだったクロエは、家の奥に閉じ込められ、姉達にいじめられながら育ちました。
そんなクロエを救い出したのは、同じく西の魔法使いであるラスティカでした。
自分の花嫁と勘違いしてクロエを連れ去ってしまったラスティカですが、それはクロエにとっては突然訪れた希望の光だったのです。
それから、クロエとラスティカは賢者の魔法使いに選ばれるまで、西の国中をふたりで旅をしていました。
人懐っこい性格ですが、出自のせいもあり自分にあまり自信がなく、自分から交流することが少し苦手なようです。
ですが、大好きなものの話になるとおしゃべりが止まらなくなってしまう、誰からも愛されるのがクロエです。
ちなみにゲーム内のイベント時の衣装のほとんどをクロエが製作しているため、賢者の中では巨匠と名高い仕立て屋さんです。
こんなにかわいくて素敵なクロエですが、得意な魔法は「人を仮死状態にする」というところが、悪戯好きな西の魔法使いらしいところです。
優しく儚げで美しい、その辺の人を鳥に変えて鳥籠にブチ込む花婿|ラスティカ (VOICE:三浦勝之)
音楽を愛し、美しい言葉を綴り、クロエの人生を変えた貴公子がラスティカです。
誰に対しても柔らかな物腰で接し、疲れている人を見ればスマートにもてなして、些細なことを幸福に変えることが出来る素敵な人です。
彼の選ぶ言葉は優雅で、彼の奏でる音楽は美しく、気難しいオズや、人と馴れ合うことを好まないオーエンですら賑やかな演奏会に巻き込んでしまいます。
元々は貴族の名士で、西の国の首都に豪奢な城を持っていたようですが、過去の記憶はあまり定かではないようです。
自身のいなくなった花嫁を探していて、それっぽい人を見つけると有無を言わせずに魔法で鳥に変えて鳥籠に入れてしまうという、ちょっと怖い部分もあります。
クロエのことも、仕立て屋の奥で閉じ込められて作業をしていたクロエを見つけて、自分の花嫁だと勘違いして連れ去ってしまったのですが、結果的にクロエにとってはずっと待ち望んでいた救いになりました。
ぼんやりとした性格で、生活力が低いためクロエにお世話になってようやく身なりを整えることが出来るレベルです。
そんな不思議な彼ですが、ラスティカよりも世界の美しさを言葉に表せる人を、私は他に知りません。
ラスティカの目で世界を見てみたいし、一緒に生きていくならラスティカが良いなと思えるくらい、彼の言葉は宝物のように賢者の心を飾りたててくれます。
世界で一番綺麗な夜のような瞳を持った、美しい西の魔法使いです。
人間と魔法使いが仲良く手を取り合う国【南の国】
なんなの?|フィガロ (VOICE:森川智之)
本当は、フィガロだけで他のキャラの三倍ぐらいの量があったのですが、書いている間に私の情緒が狂いました。
推敲を繰り返す内に「なんなの」以外の言葉が消えてた。
フィガロについては、ぜひ先入観を持たずに、彼を知ってください。
おしとやか美人に見せかけてスピード狂の善なる陽キャ|ルチル (VOICE:土岐隼一)
ミルクティー色の髪に、明るい緑の瞳が美しい、おしとやかな美人に見える南の魔法使いが、ルチルです。
人と魔法使いが手を取り合って暮らしている南の国に生まれ育ち、学校の先生をしているルチルは、穏やかで人当たりの良い優しい青年です。
『魔法使いの約束』の世界で、大魔女と言われているチレッタという女性の子供で、同じく南の魔法使いであるミチルのお兄さん。
チレッタと北の魔法使いミスラは長い時間を一緒に過ごしていたことがあり、そのためミスラとも縁があります。
ルチルは儚げな外見とは裏腹に、酒豪であり、箒に乗ると誰にも止められないスピード狂という一面も。
誰もが恐れるミスラに対し、口答えどころか手に持っているスケッチブックで殴りつけたりする辺りは、自由奔放だったという母親のチレッタに似ているのかもしれません。
絵を描くのが好きで、いつか絵本を制作する夢を持っていますが、ルチルの絵はとても独創的で、カエルを描いているはずが蝶々や鳥、コウモリと勘違いされるクオリティです。
写実的な絵も本当は得意らしいのですが、ルチルが好むのは芸術が爆発している方みたいです。
私が在宅勤務中に、ゲームでルチルを育成していると永遠に褒めてくれるのですごく有難いです。
優しくて、人の善性を信じることが出来るルチルの言葉は、たくさんの人を救ってくれています。
魔法よりも物理攻撃が得意な優しい羊飼い|レノックス (VOICE:帆世雄一)
メガネで黒髪、背が高く体格の良い、魔法よりも先に手が出るタイプの魔法使いがレノックスです。
温厚で堅実な人柄で、周囲からの信頼も厚い男です。
数百年前、革命軍にいたファウストの従者をしており、ファウストを火刑から救い出したのがこのレノックスでした。
ですが、ファウストはレノックスの前から姿を消してしまい、その後長い間レノックスはファウストを探し続けていました。
その後レノックスは南の国に移住し、賢者の魔法使いに選ばれるまでは羊飼いとして穏やかな生活を送っていたのです。
本人は魔法よりも格闘技や体術の方が得意らしく、シノに稽古をつけるほどの腕前です。
話し方も朴訥としているため、ぼんやりとした性格かと思いきや、生まれも育ちも厳しい環境で育っているためか、言う時はちゃんと言いますし、物怖じもしません。
羊飼いらしく、常に魔法でサイズを小さくした羊を連れているのですが、この羊が最高に可愛いので是非見てください。
賢者が、レノックスは照れるだろうなと思いながら言った褒め言葉に、ウインクで返したところにウッとなりました。
結婚するなら絶対レノックスです。
強い力に憧れる賢くて優しい予言の子|ミチル (VOICE:村瀬歩)
ミチルはしっかり者で、勤勉で、優しい15歳の南の魔法使いです。
賢者の魔法使いの中では最年少のため、周りの魔法使いたちには、よくリケとペアでお子様扱いをされています。
強い力に対する憧れが強く、魔法使いは人々のために魔法を使うべき、という意思が固い少年ですが、一方で「北の魔法使いは悪い魔法使い」、という杓子定規な考え方をする面もあり、未熟な危うさも持ち合わせています。
同じ南の魔法使いのルチルの弟であり、おっとりしているルチルに対し、しっかり者のミチルが厳しく指摘して兄弟喧嘩をしていたりも。
ルチルとミチルの母親のチレッタは偉大な魔女でしたが、ミチルを産んだ時に亡くなっています。
偉大な魔女の息子として、強くありたいと願うミチルは、フィガロに強い魔法を教えてくれるように頼みますが、なかなか教えてくれないフィガロに対し、少し不満げな様子が見え隠れしています。
北の魔法使いのスノウとホワイトにとある予言されていて、そのためフィガロはミチルが強くならないように手を回しているのですが、徐々に歪みが生じてきている様子。
また、ミチルは〈大いなる厄災〉である月を見ると、気が昂って力が湧いてくるらしいのですが…ミチルのことが心配でなりません。
あんなにかわいい良い子がなにをしたっていうんですか都志見先生…。