オートロックなどのセキュリティに優れた郊外の大規模物件が多く、都心のマンションに比べると面積が広いのが特徴です。

今後はテレワークが当たり前になり、これらの物件の郊外というデメリットは気にならなくなり、メリットの部分だけが強調されていくのかもしれません。実際に都心の物件と比較してみれば、その差に驚くはずです。

しかし、近くのショッピングモールなど、街自体がマンションと同時期に作られている場合、街全体が寂しくなっている場合がまれにあります。マンションだけでなく、街全体の雰囲気を見て決める余裕を持ちましょう。

また、特にマンションが乱立したバブル期には、管理費や修繕積立金が高い小規模マンションが多いのも特徴です。価格が安くても、月々の支払いが高額になってしまっては元も子もありません。

実際、そういった物件は価格が安く抑えられている場合が多く、一見お得に思えてしまうので、気をつけた方がよいでしょう。

中古市場に出回ってきた2000年物件に注目

2000年前後になると、大規模な工場などが地方へ移転し、都市部の再開発が始まりました。さらにタワーマンションをはじめ、マンションの高層化が顕著になり、都心に建設ラッシュが始まります。近年、それらの物件が、中古市場に多く出てきました。

これらの物件は新築と変わらない構造と設備を兼ね備えているため、かなり注目の物件と言えます。まず、オートロックは当たり前で、宅配ロッカーも完備しています。

築20年経っている物件だと水回りのリフォームは必要となりますが、台所は対面式のところが多く、浴室も広いので満足できるでしょう。浴室乾燥や床暖房の便利さは、一度体験してしまうと後戻りはできません。

筆者の場合は、2000年物件から、それ以前の物件へ転居したため、かなり後悔しています。24時間換気システムも、体感的にはあったほうが便利だと気付きました。

一方、2000年以降の物件でも、都市部の再開発とは関係なく、立地条件が悪いところも、多くあります。ただ、それらの物件は、お手頃価格になってきています。テレワークが増え、広さや設備の新しさを求めるのであれば、十分に検討の余地はあると思います。

住んで実感!築年数に関係なく、これだけは確かめたいポイント

ここでは、実際にいくつかのマンションに住んでみて、これだけは欠かせないと感じた、マンション購入を決めるポイントをご紹介します。

まずは、マンションの共有部分の清潔さです。郵便受けのゴミ箱がいっぱいになってはみ出していたり、駐輪場が乱雑になっていたりというのは、管理がきちんとしていないことを表しています。これに伴い、管理は常駐か日勤か、もしくはそれ以外の管理体制かを確かめておく必要があります。

ゴミ出しが24時間可能かどうかも、重要なポイントです。

また、先程も述べましたが、管理費と修繕積立金がどうなっているのかも注意しましょう。特に修繕については、長期修繕計画がきちんとしているのかに注目。月々の積立金は安くても、大規模修繕時に一時金を取られる心配がないかも考えておきたいところです。

「ぴあ中部版」映画担当を経て上京、その後はテレビ情報誌、不動産雑誌・広告などの編集・ライターを務める。著書に『年収350万円でも家が買える』(2014年・彩図社刊)。また、映画監督としては、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭などで注目され、2002年「異形ノ恋」(出演・西川方啓、木下ほうか、寺田農)でデビュー。