職場の人間関係がなんだかうまくいっていないというあなた。もしかしたらその原因は「しぐさ」にあるのかもしれません。

女性起業家の池原真佐子さんに、人間関係を良好にし、魅力的な人になるための「しぐさ」について伺いました。

しぐさは他人に大きな影響を与えている!

普段、無意識にやっているしぐさ。髪をいじったり、顔を触ったり、頬杖をついたりする癖を自覚している人もいるでしょう。実はその何気ない無意識のしぐさが、人間関係を大きく左右しているのだそうです。

働く女性のキャリア支援を行う(株)MANABICIA代表の池原真佐子さんは、しぐさを意識することで魅力的な人になることができ、人間関係も良好になると言います。

池原真佐子さん(以下、池原)「私たちは、他人のしぐさに大きな影響を受けています。例えば腕を組んだり、あごを上げたりと威圧的なしぐさをする癖のある上司のもとにいる部下は、休職率が高いという人事部や現場の声を聞くことが多々あります。

それだけ他人のしぐさに影響を受けているということは、自分のしぐさも他人に大きな影響を与えているということです」

自分のしぐさが他人に大きな影響を与えていると知ると、うかつに、おかしいしぐさはできませんね。

池原「自分のしぐさは、他人に対してだけでなく、自分で自分のことをどう思い、どう感じるかも決めるのです。

自分のしぐさは自分の心と行動に影響を及ぼします。行動が変われば、人生も変わっていきます。自分の人生を変えたい。キャリアを積みたい。人間関係を良くしたい。そんな願望があるなら、自己分析で終わらせず、まずはしぐさを変えましょう

そうすればあなたの行動が変わり、やがて人生までも変わっていくでしょう」

これやってない?相手に話しかけられたときのNGな「しぐさ」3選

意外と重要なしぐさ。池原さんによると、人間関係に悪影響を及ぼすしぐさがいくつかあるのだそうです。

今回は、特に職場でのコミュニケーションでよくあるNGなしぐさをピックアップしていただきました。

1.仕事中、話しかけられたときパソコンを打ちっぱなし…

池原「パソコンの画面に向かって作業をしている最中、誰かに話しかけられたとき、口では『はい』と返事をしていても、キーボードを打つ手は止めない、もしくはスマホを操作しながらというのはよくありません。

相手は『ちゃんと聞いてもらえているだろうか?』と心配になってきます。

相手から話しかけられたら、作業の手は完全に止め、相手の目を見てしっかりと話を聞くこと。たったそれだけのしぐさで、自分の魅力になります」

2.上半身をねじって相手と話をする

池原「作業の手を止めて相手の目を見ていても、上半身だけをねじって話をしていませんか? 背後からなど、正面以外のところから話しかけられたときにはよくやりがちですが、相手に『心ここにあらず』という印象を持たれてしまいます。

話を聞くときは必ず相手に膝を向けましょう。すると『あなたの話を最優先で聞いています』『あなたのことを信頼して話を聞いています』という気持ちが伝わります。

相手からも『自分のことを大切にしてくれているのだな』と感じてもらい、よりよい人間関係を築く助けになるでしょう」

3.あいづちや経験談をかぶせる

池原「あいづちもしぐさの一部です。相手の言葉に重ねてあいづちを打ったり、全部の話を聞き終わる前に言葉をはさみ、『私も同じような経験をしたことがあります』と自分の経験を話し始めたりしていませんか?

実はこの行為は、相手に『自分の話をしっかり聞いてくれていない』という思いを抱かせてしまうのです。

人の話を聞くときは、あいづちや経験談をかぶせないこと。目的は自分の話をすることや自分の宣伝をすることではなく、相手の話をしっかり聞くことです」