コズミンを観たらファンの方は愕然とするかも(笑)
――お2人のオーラの消し方というか、アイドルオタクのリアルさが醸し出される演技が、とにかく圧倒的で。
松坂 現場に原作者の劒樹人さんが何度もいらしてくれて、仲間たちとのエピソードを話してくださったんです。当時の雰囲気をリアルに想像することができました。
仲野 僕はコズミンの気持ちに共感できたことが、根本になっています。彼はすごくコンプレックスがある反面、すごく自信もあって、その2つの感情が入り混じってヘンテコな形になっているんです。
――確かに彼の自己評価と周りに対する態度に、歪さを感じました。
仲野 彼の小ささとか、マウントの取り方とか、自分からかけ離れているようで、実はそうでもない気がします。僕も自信がないときはあるし、器が小さいなって反省することもある。そういうところを手掛かりに、よりコズミンに近づけるようにしました。
――昨年11月にドラマ「この恋あたためますか」(TBS系)で、壁ドンをして話題になった仲野さんですが、ふり幅が大きい。
松坂 いやもう、話題でしたよね~。
仲野 新しいファンの方々は、コズミンを見て愕然とするでしょうね(笑)
――お2人とも、映画の中でお気に入りのシーンや、思い入れの深いシーンはありますか?
松坂 僕と太賀の、ラストシーンの直前のシーンです。太賀とは初日の撮影だったので、「おお、太賀久しぶり! 元気だった?」「元気でした」と挨拶したくらいで始まってしまって。
まだ他の出演者と一緒にお芝居がやれていない中、どういう距離感でどういう温度感で演じるっていうことを、探ることもできない。しかももうすぐ日が沈んでしまうということで、バタバタと撮りました。
今思えば、あの緊張感が良かったのかもしれないですが、太賀と「大丈夫かな?」と不安になりながら帰りました。
仲野 そうだ、その日「ご飯行きませんか?」ってなりましたね。
松坂 結果として、試写を見たらいいシーンになっていたから、「良かった~」ってホッとしました!
――仲野さんはいかがですか?
仲野 僕はみんなでバンドを始めるライブシーンですね。モーニング娘。の「恋ING」を歌いました。おじさんみんなで、部活のノリで休みの時間に、何度も歌の練習をしたんですよ。
松坂 1人が歌い始めると、みんなが歌ったりね。
仲野 何度も何度も歌って、練習しましたね。それが思い出深いです。