2020年最大のヒットドラマとなった『半沢直樹』での好演も記憶に新しい尾上松也が、〈このマンガがすごい!〉大賞にもランクインした金魚すくいを題材にした原作漫画を、ユニークな世界観で映画化した『すくってごらん』で映画初主演を果たす。
尾上松也演じる、東京本社から左遷された銀行員・香芝が、“金魚すくい”を通じて成長していく姿を、歌やダンスを盛り込みながら見つめていく本作。
香芝が一目惚れするヒロイン・吉乃を演じるのは、人気アイドルグループ・ももいろクローバーZの一員であり、女優としても注目を浴びている百田夏菜子だ。
3月12日の全国公開に向け、1月15日からはチケット発売が開始。ぴあ限定絵柄のクリアファイル付きムビチケも同日発売となる。
初共演となったふたりが撮影を振り返った。
トリッキーな演出に「どこからあんな発想が?(笑)」
── 原作の持つ“金魚すくい”という題材に加えて、映画版ではさらにユニークな世界が構築されています。おふたりとも登場シーンから歌を披露していますね。
松也 香芝は冒頭、柿澤(勇人)くん演じる王寺の車に乗った途端に歌い出してますからね。今回、いくつもの歌を歌いましたが、途中、ラップまでありますから。
百田 大好きですよ、あのラップ。
松也 僕も好きだけど、どこからあんな発想が出てくるんだろうと思いました(笑)。非常にトリッキーな演出で、なおかつあそこは急に英語になりますからね。英語でラップする機会なんてなかなかないですから、難しかったです。プラス動きもありましたし。
銀行内でのシーンで、動きをみんなで合わせる必要があったので、事前にみんなで練習してから現場入りしました。それから、支店長が書類にハンコを押してリズムを刻むシーンがあるのですが、支店長が全然できなくて(笑)。
百田 そうだったんですか。
松也 何度もやりましたね。みんなで文句言ってプレッシャーをかけながら(笑)。
── 百田さんは歌に加え、ピアノを弾くシーンもあります。
百田 そうなんです。幼稚園のときにピアニカを触ったことがあるくらいで、ピアノを弾いたことなんてありませんでした。最初に音源をいただいたときは、「だいぶピアノ弾いてる感じだけど、これをやるの?」と心配になりました。
でもやっていくうちに楽しくなって、最初は、本編で使われるピアノの音は吹き替える予定だったんですけど、せっかく弾けるようになったんだから、音も自分の音にしたほうが伝わるねということで、レコーディングしたんです。歌のレコーディングには慣れていますが、ピアノのレコーディングは初めてでした。