骨付き豚肉と大根のスープ
艋舺夜市(廣州街)との交差するところから梧州街を少し南下したところに、終日人だかりのできる人気店『原汁排骨湯』がある。
特に昼時と、夕方から夜にかけての混雑が激しい。観光客よりも地元の人たちの利用が多いのは本物の証拠だ。
排骨湯とは骨付き豚肉(スペアリブ)と大根のスープで、台湾では定番の家庭料理だが、この店では家庭では使わない大きく深い鍋で大量の豚骨や大根を煮込むので、味の深みが違う。
おでんのように長時間煮込まれて味のしみた大根と、骨からホロリと崩れ落ちる柔らかな豚肉。シンプルだが飽きのこない味である。
艋舺に何度足を運んでも新しい発見があるのは、朝、昼、夜、深夜と、それぞれに違った顔を見せてくれるからだろう。
限られたスペースを違う屋台が使い分ける合理性にも感心させられる。
(つづく)
艋舺とは?
1970年代が全盛期だった艋舺(萬華)は、当時の台湾でもっとも賑やかな繁華街であり、上京者がこぞって目指す憧れの地だった。
日本の東京で言えば上野・浅草のような街だ。かつて艋舺北西部の華西街夜市にはヘビの生血を飲ませる屋台があり、その裏手の赤線地帯ではピンク色のネオン看板が怪しげな雰囲気を醸し出していた。
その辺りの雰囲気は以前本コラムで取り上げた台湾映画『モンガに散る』(台湾ロスを癒す「日本で楽しむ台湾」vol.1【話題の映画】)によく描かれている。
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