感情に目を向けてほめる
子どもをほめるなら、結果よりプロセスに着目するということをお話ししました。
そのプロセスですが、中身は決して良い感情ばかりではありません。
たとえどんなに頑張った過程があったとしても、子どもの感情をひとつひとつ聞いていくと、ほとんどが負の感情だったということもあるでしょう。
そういった状態が前提として、“様々な葛藤を乗り越えたという事実”をまずは認め、ほめてあげましょう。
頑張った中での、子どもの様々な感情。特に負の感情に対して親がしっかりと目を向けることは、子どもにとって“ママやパパは自分のことを見てくれている”という安心感に繋がり、結果に対して必要以上に恐れる必要がなくなるのです。
具体的にほめる
上記の深堀りになりますが、ただ「頑張ったね」と言うよりも、「嫌だった気持ちもあったけど、それでもこのままじゃダメだと思って頑張ったんだね。このままじゃダメだと思って行動に移せたことが偉いね」と、具体的に言ってあげたほうが、子どもの心にちゃんと響きます。
子どもはちゃんとほめられると、とっても嬉しいのです。
具体的にほめるには“子どもが何をほめてほしいのか”を本当の意味で分からないと難しいですから、常日頃から子どもが何に対して不満なのか、何に興味をもっているのか、そういったことを親がしっかりと観察しておくことが大切です。
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“失敗が怖くて挑戦できない”というのは、大人の誤ったほめ方から、子どもたちに無意識に選ばせてしまっているからです。
そのことを、まずは大人が自覚する必要があると思います。
【取材協力】『日本財団子ども第三の居場所』
子どもたちが安心して過ごせる環境で、自己肯定感、人や社会と関わる力、生活習慣、学習習慣など、将来の自立に向けて生き抜く力を育むための、放課後の子どもたちの居場所。
全国に39拠点(2021年3月現在)あり、今後5年間かけて500拠点に拡大を予定している。