本人だけの戦いではない一族あげて臨んだ一大事
昔から血縁を重要視する社会にあって、婚姻は当事者二人だけの問題ではない。特に朝鮮時代にあっては、家門の栄華と繁栄がかった一大事だ。ましてや揀択(カンテク)には権力の行く末が懸かっている。戦うのは彼女たち参加者だけではない。
親や親族が一丸となって、一族から王妃を出そうと躍起になる。王の母である大妃キム氏が審査前に「うちの家門の娘がお世話になる」と話す場面や、宮廷の権力者である領議政(ヨンイジョン)キム・マンチャンが多方面に根回しをする様子からは強い意気込みが感じられる。
キム・マンチャンは最初の揀択(カンテク)に娘を参加させたものの、王が初恋のウンギを選んだため屈辱を味わった。そのため、2度目の揀択には弟の娘である姪のソンイを推し、雪辱を果たすべく万全の体制で臨む。
このキム・ソンイと、左議政(チャイジョン)チョ・フンギョンの娘チョ・ヨンジの二人が、姉ウンギの死の真相を探るべく戦いに挑むウンボの最大のライバルとなっていく。
ソンイは家門の栄光やプライドを懸けて参加するが、ヨンジの場合は、名誉ではなく王イ・ギョンへの純粋な思いから。それゆえに王に深く愛されるウンボへの嫉妬心はより強くなっていく。愛情は憎悪と表裏一体。自分の思いが受け入れられないと知った時のヨンジの変化は大きな見どころだ。
お妃候補
カン・ウンボ
(チン・セヨン)
身分を偽って京畿監司ホン・ギホの娘ヨンとして揀択に参加する。
チョ・ヨンジ
(イ・ヨルム)
王イ・ギョンに思いを寄せ、ウンギに瓜二つのウンボを警戒する。
キム・ソンイ
(イ・ファギョム)
キム家の威信を懸けて揀択に参加。ウンボを陥れようと暗躍する。
<ストーリー>
暗殺された王妃ウンギが双子の姉だと知ったウンボは、ホン・ヨンの身分を借りて揀択(カンテク)に臨む。3項目について適性を問う初揀択(カンテク)の最中、何者かによってウンボが拉致されることを予知夢で知った王イ・ギョン。間もなく、夢の通りウンボは姿を消し、審査終了の時間が刻々と迫ってくる……。
『韓流ぴあ』2020年9月号より抜粋
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