韓国時代劇は宮廷ものが面白い! 今回紹介する『カンテク~運命の愛~』は、これまでに描かれることがなかった“お妃選び=カンテク”という宮廷のしきたりを教えてくれる一作だ。このドラマの魅力や見どころを、6回にわたって、多角的に紹介していく。
第1回 カンテクって何?
王妃の座を目指す女たちの戦いを描いた宮廷ロマンス
時代劇の名匠イ・ビョンフン監督の『オクニョ 運命の女』でタイトルロールを演じ、続いて『不滅の恋人』の主演を務めて時代劇のニューヒロイン誕生を印象付けたチン・セヨン。
彼女が『不滅~』のキム・ジョンミン監督と再び組んだ話題作が、19世紀の架空の朝鮮王朝を舞台にした宮廷ロマンス『カンテク〜運命の愛〜』だ。
双子の姉の非業の死の真相を探るために、王妃選びの行事である揀択(カンテク)に参加する勇敢なヒロインと王の恋、宮廷に渦巻く陰謀と権力闘争、そして女たちの火花散る戦いをドラマチックに描いている。
王と王妃が狙撃され命を落とすという衝撃的なオープニングから波乱の物語が予感される。
チン・セヨンは重臣の娘に生まれながらも、幼いころに家族と離れ離れになり記憶を失って成長したカン・ウンボと、双子の姉で婚礼後すぐ殺されてしまう王妃ウンギを演じた。
自分の出自を知らずに育ったウンボは、亡くなった王妃が双子の姉だと知り、蘇生した王が姉の死に関わっていると聞かされ、犯人を突き止めようと揀択に挑む。
ウンボを見て王妃が生き返ったと信じ、さらなる思いを募らせる王イ・ギョン役は、現代劇で多彩な魅力を発揮してきたキム・ミンギュ。大王大妃(祖母)や大妃(母)、大妃の家門が牛耳る宮廷で、務めを果たそうとする若き王を落ち着きある演技で見せている。
揀択は王妃選抜のためのサバイバルオーディション
まず初回は揀択について詳しく見ていきたい。
15世紀前半、3代王・太宗が発案し、次の世宗の時代に始まったとされる揀択は、王妃や世子嬪となる者を選ぶために行われた。揀択が決まると臨時官庁として「嘉例都監(カレトガム)」が設置され、禁婚令が公布されると年ごろの娘は両班だけでなく庶民の娘も婚姻を禁じられた。
ただ、候補はもちろん両班の娘で、姓名・年齢・本貫・父や祖父の名前と身分などを記した「処女単子(チョニョタンジャ)」という釣書(身上書)を提出し、そこから選ばれた20〜30人程度が初揀択(カンテク)に臨む。
ドラマでは御簾越しに彼女たちが大王大妃や大妃らの面接を受ける様子や、「観相・心相・行相」の3点を通して人相、気立て、行動を審査する過程で、ライバル視するウンボを蹴落とそうとする敵役の、お約束とも言うべき卑劣な策略なども描かれる。
こうして初揀択で選ばれた6人が約2週間後、第2次審査にあたる再揀択でさらに3人に絞られる。その後、最終審査の三揀択で脱落した2人も王の女と見なされ、通常は一生結婚できないが、まれに側室になる者もいたそうだ。
このようなことから候補となるのを避ける家もあり、ドラマでも処女単子を提出に来た父親が、担当者に「娘を選ばないで」と袖の下を渡す場面がある。ただ、これらの行為が分かると処罰を受けた。さらに、揀択に参加するだけで経済的負担が重くなることもあって、希望者は減少していったという。
揀択を一種のサバイバルオーディションと捉えた本作。与えられたミッションをクリアするために頑張る候補者たちの姿は、まさに現代のアイドル候補生さながら。ウンボは果たして揀択を勝ち抜けるのか、そして彼女を待ち受ける陰謀とは!?
<ストーリー>
19世紀、王イ・ギョンが王妃を宮中に迎える親迎式の道中、2人は銃撃されて落命。星宿庁の巫女であり情報屋のウンボが、犯人の手がかりを求めて王の遺体が安置された部屋に潜入すると、王が突然蘇生する。その後、ウンボは自分が亡くなった王妃の双子の妹だと知らされる。
『韓流ぴあ』2020年7月号より抜粋
『カンテク~運命の愛~』(全22話)
テレビ東京『韓流プレミア』にて放送
2021年3月25日(木)スタート
毎週月曜~金曜 午前8時15分~9時11分放送
DVD-BOX1・2
各17,000円+税 好評発売中
発売元:「カンテク~運命の愛~」日本版製作委員会
販売元:TCエンタテインメント
©2019 -20 TV Chosun
TSUTAYAほかにて絶賛レンタル中