韓国時代劇は宮廷ものが面白い! 今回紹介する『カンテク~運命の愛~』は、これまでに描かれることがなかった“お妃選び=カンテク”という宮廷のしきたりを教えてくれる一作だ。このドラマの魅力や見どころを、6回にわたって、多角的に紹介していく。第4回のテーマは、「ウンボをめぐる二人の男ギョンとジェファ」。
第4回 ウンボをめぐる二人の男ギョンとジェファ
共にヒロインの名を知らず彼女に恋をした二人の男
王イ・ギョンと王妃カン・ウンギの銃撃事件から始まる本作は、ウンギの双子の妹ウンボが、姉の死の真相を知ろうと揀択(カンテク)に参加したことで起こるさまざまな出来事が緊張感いっぱいに描かれる。
ウンボが少しずつ真相に迫っていく様子と共に物語を盛り上げるのが、ウンボに思いを寄せる二人の男、王イ・ギョンと王族のイ・ジェファの存在だ。
ストーリーの設定として面白いのは、彼らがいずれもウンボについてそれぞれ知らされていない点があるというところ。ギョンの場合は、幼いころに偶然ウンボと出会って心を通わせたものの、名前を知らぬまま別れたことから、最初の揀択(カンテク)に参加したウンギのことをウンボだと思い込んで王妃とした。
快活でおてんばなウンボとしとやかで慎み深いウンギとでは、顔は同じでも性格は全く違っているのだが、ウンギに双子の妹がいることは両親のほかには一部の人間しか知らぬ事実だったため、ギョンが誤解したのも無理はない。
一方、イ・ジェファもウンボの名前を知らないまま、彼女を危険から救って一目ぼれする。姉や父の非業の死を目の当たりにしたウンボは、亡き父カン・イスの親友ペク・チャヨンの手引きで、京畿監司ホン・ギホの娘ヨンとして揀択(カンテク)に参加する。
イスと共に夢見た新しい世の中を作りたいと考えるチャヨンには、ウンボを王妃の座に据えようというもくろみがあった。実はそれを指示したのはジェファだった。
ジェファは王族出身ではあっても、祖父の代に謀反の疑いをかけられ零落し、極貧の中で生きてきた。それがイ・ギョンの死で一夜にして新王として迎えられたかと思えば、ギョンが蘇生したことでその座はふいになってしまう。
そこでチャヨンに接近し、イスの娘を利用するように提言した。だが、彼はイスの娘がまさか自分が恋した娘だとは夢にも思わなかったのだ。