オーディションは思っていた3倍、大人がいた(笑)(甲斐)
――原作はもちろんですが、このミュージカル版自体が日本でも10周年を迎える人気作ですね。黒羽さんは前回もご出演されていましたが……それ以前から本作のことをご存じでしたか?
黒羽 はい、知っていました。……と言いますか、前回より前にもオーディションには参加していて、落ちていますので(笑)。
僕は、オーディションでミュージカルナンバーを歌うというのは『ロミオ&ジュリエット』が初めての経験だったんです。
今でも覚えています、『世界の王』などを歌ったのですが、めちゃめちゃ緊張して受けていました。
――そうなんですね、ではオーディションに落ちたところから始まり、マーキューシオ役、そして今度はロミオ役。どんどんステップを上っていますね!
黒羽 うーん、僕はあまり、役にランクをつけたくはないのですが……。
甲斐 でも主役ですよ!
黒羽 そうですよね……では、はい。僕も成長しました(笑)
――甲斐さんもオーディションを経て決まったのですか?
甲斐 もちろんです。オーディションってどんな感じかな、と思って行ったのですが……思っていた3倍、大人がいました(笑)。
それくらい大きい作品で、たくさんの方が関わっている作品なんだなと身に染みた瞬間でもありました。でも緊張しすぎてあまり覚えていないです。
――何を歌ったのでしょう?
甲斐 『僕は怖い』と『世界の王』、それとなぜか『オー・ソレ・ミオ』を……。
黒羽 ええっ!?
甲斐 その時ちょうどオペラの練習をしていたんですよ。練習中だったにも関わらず披露してしまって……。
――合格されたので結果オーライかと(笑)。すでにお稽古が始まっていますが、実際にロミオとして動いて、抱いていた印象と違ったな、というようなところがあれば教えてください。
黒羽 思ったより大変です。ロミオは出番も多ければ、やることもめっちゃ多いなーと(笑)。
僕が嫉妬心を抱いていたあのおふた方(古川、大野)はすごいことをやっていたんだな、と、今は完全にリスペクトにまわっています。
甲斐 僕が改めて感じたのは、曲がいいということ。自分次第で音楽の良さをもっと引き出すことができるし、逆に殺してしまう危険性もあるのですが、そこもすごく楽しい。
それと、僕、ひとつ前の作品がかなりベテランの方の多い現場だったのと、役柄が貴族だったので、ちょっと背伸びしていたんです(ミュージカル『マリー・アントワネット』)。
今回は同世代が多いこともあり、等身大の自分として稽古ができています。