子ども同士の「お金の貸し借り」トラブルを防ぐには?

「お友達におごったり、おごられたりはしないこと」とあらかじめルールを決めても、例えば「今日はお金を忘れたから貸してくれない?」とお友達に頼まれた時はどうすればよいでしょう?

家庭でのルールを決めておく

お金の貸し借りは悪いとわかっていても、「今日はお金を忘れたから(後で返すから)ちょっと貸して」などとお友達に言われてしまうと、子どもは迷ってしまいます。

お財布を落としてしまった、緊急連絡が必要になった、バス代が足りないなど、やむを得ない時もあります。

「そんな時は、できるなら大人の人に相談してね。できなければ必ず後で報告してね」などと伝えておくとよいでしょう。

やむを得ない事情ではない、例えばお菓子を買いたいときは、みんなも一緒に我慢して買わないでおこうと、お金の貸し借りについては断る勇気も必要です。

家庭で「お金の話」をオープンにしよう

大きなトラブルに発展させないためには、お金に関することだけでなく、普段から何でも相談できる親子関係を築くことが大切です。

小さな出来事のうちに、生じてきた迷いや疑問を親子で話し合い、今後守っていくルールを確認していきましょう。

「お小遣い」はお金を使うルール作りの良い機会

トラブルが起きていなくても、お小遣いなど子どもにお金を渡すタイミングで、家庭のルールを決めていくこともできます。

お小遣いは、お金の使い方の練習のために子どもに渡すものです。お小遣いを使ってはいけないもの、いけない場所などのルールを守ることは、お金を使う上での責任だと伝えていきましょう。

「子どもにはじめてお小遣いを渡したとき、そんな話し合いはしなかった。もう手遅れですか?」という人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

今からでも「お金に関してオープンに話せる家庭の雰囲気」をつくることが大切です。

親子でお金について話し合うことは将来のトラブル予防にもなる

何かあったときにはじっくり子どもの声に耳を傾け、気持ちを尊重しながら自分の家の価値観で「最適解」を見つけてください。

お金についてのルールを改正したり新たなものを加えたりしながら、親子で何でも気楽に相談し合う関係性を築くことや、何かあっても味方になってくれるという安心感を与えることが、「カードローン地獄」や「悪徳商法にひっかかってしまった、協力してしまった」など将来起こすかもしれないトラブルの予防になります。

子どもがお金に興味を持ったら、お金の教育の始め時です。

学校や習い事、毎日食事や生活ができるのはお金があるおかげだということや、使ったらなくなる限りがあるものだから、大切に使うことを日頃から伝えていきましょう。

【執筆者】土居由紀子
キッズ・マネー・ステーション認定講師/子どものためのお金の先生/ファイナンシャルプランナー 二児の母

兵庫県尼崎市を中心に楽しくお金のことを学ぶ「マネ楽(がく)」講座を開催。オンラインでも開催中。まちをマナビバにして社会、経済の仕組みをわかりやすく伝えながら、地域の人と子どもたちをつなぐ機会をつくる活動をしている。武庫広報誌「むこたん」編集委員

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。公式サイト「キッズ・マネー・ステーション