具体的にいつまでにいくら準備すれば良い?
ここまで、大学へ入学するための費用について見てきましたが、支払い時期については知っておかないと、一時的な現金不足に陥ることがあります。
資金準備の注意点と支払時期についてみていきましょう。
入学に必要な資金は「高校3年生の夏休みまで」に準備しよう
受験・入学準備に必要な資金は、高校3年生の夏までに貯金で準備できるように計画しておくのが良いでしょう。
受験というと、高校3年生の冬のイメージがありますが、推薦入試やAO入試(面接などで決まる入試)は8月から始まります。
入試を受けることになれば受験するための費用が発生し、合格すれば入学するための費用の支払いが必要になります。
そして、前期分の授業料や設備費等(40~60万円)も、入学金より支払期限を遅くに設けている大学も多いですが、指定された日時までに払うことになります。
授業料や設備費は、実際に通わなかった際は後日返金を求めることもできますが、返金時期が翌年度になることもあります。
学資保険や、教育ローン、奨学金を大学へ入学するためにかかる費用に使おうと思っている人は注意が必要です。融資が下りる日や満期日が支払期限に間に合わない場合が多いからです。
あてにしている方は、学資保険のお金が入る日を早めたり、教育ローンの仮審査をしておくなどの準備をしておきましょう。
具体例:高校卒業前に支払った総額は「185万円」
では、実際にどのくらいの入学関連費用が必要になるのか、3つの大学を受験したA子ちゃんを例に見てみましょう。
A子ちゃんの高校卒業前に支払った入学関連費用の総額は、185万円です。
内訳は、以下の通りです。
地方在住のA子ちゃんは、国立大学Aが第一志望。第二志望が私立大学B、第3志望が私立大学Cです。3校とも、自宅からは通えない距離です。
3校の受験料合計は10万円でした。そして、受験のための旅費3回分の合計が、親子分合わせて15万円かかりました。
私立大学B、Cに合格しましたが、C大学の入学金支払い期限前にB大学の合格がわかったので、C大学への手続きは行いませんでした。B大学の入学金20万円は支払いましたが、前期授業料等の納入は延長手続きをとり、その期限前に国立大学の発表がありました。
国立大学Aに合格したので、国立大学Aに入学金25万円と、前期の授業料等55万円を払いました。
また、1人暮らしの敷金、礼金、家具家電の準備に40万円かかりました。
以上をまとめると、高校在学中に支払った入学関連費用は「185万円」。
第一志望に合格したため私立大学B、Cへは通わないこととなりましたが、B大学へ払った入学金20万円は返金されません。
これらの大学へ通うための費用の多くは、高校3年生の間に支払うこととなります。
手元の現金が不足することがないように、大まかな金額や支払い時期は余裕を持って確認したいですね。
【執筆者プロフィール】アンドリューズ美和子
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファミリーファイナンスアドバイザー/子ども英語アドバイザー
Youtube「キッズマネーチャンネル」で親子のためのお金の情報を発信。家族の希望を最大限に活かす『教育費を無理なく準備するための家計の仕組みづくり』が好評。得意分野は「iDeCo、NISAを活用した資産形成」。アメリカ留学の経験を生かし、ネイティブ講師の子ども専門英会話教室「アドベンチャーイングリッシュ」を経営。3児の母。