提出書類の注意点
通常、医療保険の請求手続きでは「医療機関発行の領収書のコピー」や「保険会社所定の診断書」等が必要書類とされることが一般的ですが、新型コロナウイルス感染症に関しては、保健所等の公共機関や医療機関発行の書類のコピーを提出することで、簡易的な手続きが可能となる保険会社が多いようです。
保健所発行の書類には「入院(延長)勧告書」「就業制限通知書」「就業制限解除通知書」等があります。なお、保健所業務が込み合っている地域では、各種証明書の発行に日数がかかる場合があります。
また、保健所や医療機関からもらった書類に具体的な療養期間が明記されていない場合がありますので、不明な場合は保険金担当窓口に相談しましょう。
家族全員の保障内容を把握しておこう!
筆者が2回目のワクチンを接種した時は、2日ほど発熱や倦怠感などの副反応がありました。やはり体調不良の時には、保険の契約内容の確認等の事務作業は荷が重いものです。
とりわけ子育て世代は日々ご多忙とは思いますが、元気な時にこそ、ご家族全員の契約内容を確認されておくことをお勧めします。
保障内容をチェックする時のポイントは、ざっくりとでも「誰が・いつまで・どのような場合に支払われるのか」把握しておくことです。我が家では「一人一冊ファイリング」を実践しています。
家族全員の保険関係の資料をそれぞれ各自一冊のA4サイズのファイルにまとめ、気になった時にすぐに取り出せる場所に保管しています。一人につき一冊に分けて管理することで、誰がどのような時にどのような保障があるのかわかりやすく、漏れなく請求することができています。
保障期間や保険金額、受取人など、詳細については各保険会社のコールセンターや担当者に確認しておきましょう。
新型コロナウイルス感染症に関する入院・療養費は現在のところ公費負担の為、原則として自己負担はありません。しかし家族内感染などにより、療養期間が長引くほど仕事にも影響が及び、その結果、世帯の収入減に繋がってしまうご家庭も多いことでしょう。
保険や各種助成制度等、漏れなく該当するものがあれば請求し、長期化するコロナ禍においても、可能な限り経済的負担の軽減を図っていきましょう。
*令和3年10月時点での情報です。今後の状況に応じて変更される場合がありますのでご了承下さい。
【執筆者プロフィール】髙柳 万里
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー
金銭教育を受ける機会が全くないまま社会人となっていたことに愕然とし、必要に迫られて平成二十年FP資格取得。「創意工夫と試行錯誤」をモットーに、主に親子向け金銭教育や教育費関連について執筆しています。