もう見たくない、無視したい、と思うくらい共感

撮影:山口真由子

――演じた当時(2020年)、桜井さんにとって美玲は少し年上の設定でしたが、共感できるところはありましたか?

桜井:むしろ共感しかない、という感じでした。私の実体験かな?って思うくらい(笑)。

確かに、美玲は若干、年上の設定ではありましたが、美玲が自分より若い子との世代交代を感じる瞬間や、自分で自信を持って入った世界なのに、入ってみると自分よりもっと優れている人たちがたくさんいて、そこで自分のレベルを知るシーンなど、もう見たくない、無視したい、と思ってしまうくらい共感しました。

撮影:山口真由子

――桜井さんは周りから“憧れられる側”の存在だと思うのですが、この物語の女性たちのように想い悩むこともあるのですね。

桜井:20代後半に入って、女性の人生として、これでいいんだろうか?と考えることも増えてきましたし、それこそ、これまでグループ(乃木坂46)に居て、すごく守られていたんだな、と感じています。

自分自身でいろいろな人たちと向き合わなくてはいけないし、今までは自分でやらなくて良かったようなこともやらなくてはいけないし。改めて、自分一人で戦っていくことがこの世界においてどれだけ大変か、ということを日々痛感しています。

ただ、もう悩んでも仕方がない、とは思っていて。とにかく経験を積むことに意味があると思います。自分に自信はありません。とはいえ私が自分自身を見捨ててしまったら、落ちるところまで落ちてしまうと思うし。自分でマインドを上手くコントロールして、いかに維持をしていくか、日々戦っています。

――悩みは誰かに相談しますか?

桜井:最終的には自分で決めることだとは思っています。誰かに相談はします。私がすごく恵まれていると思うのは、周りに私を一生懸命引っ張ってくれる人たちがいて、「大丈夫だよ」とか、「一緒にやろうか」とか、声をかけてくださる人がたくさんいるから、今、私はこうして人前に立っていられるんだと思っています。